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そのカードで「何をしてほしいのか」

今日は一日、仕事をしている中で、
なんとなく腕が痛いなあと感じていました。
気づけばずっと違和感があって、
「これもしかして四十肩?かな」と思ったりしています。
年齢を感じる瞬間ですね。44歳になって
体も少しずつ変わってきているんだなと実感します。

そんな中、今日は社内のメンバーと
あるカードの話になりました。半年ほど前に
名刺サイズのカードを作ったんです。

そのカードには、
公式LINEの登録用QRコード
YouTubeのQRコード
ブログやnoteに飛ぶQRコード

この3つを載せていました。

お客さんとお会いしたときなどに
「よかったら登録してください」と渡すカードです。
それが最近なくなってきたので
もう一度印刷しようかという話になりました。

ただ、同じものをそのまま作るのではなく
一度見直してみようということでスタッフに相談しました。

すると、こんな提案がありました。
「この3つのQRコードのうち、1つはInstagramに
変えた方がいいんじゃないですか?」

理由を聞くと
「そっちの方が登録してくれる人が増えるかもしれない」
という話でした。

それを聞いてふと思ったんです。

そもそも、このカードって何のために作ったんやったっけ?

このカードを渡した人に何をしてほしいのか。
どんな行動を取ってほしいのか。

そこが、実は少し曖昧だったことに気づきました。

もともとは、初めて会った人に
「うちのことを知ってもらう」ために作ったカードでした。
なので、「よかったら登録してください」
という形で使っていました。

ただ、実際には勉強会に参加してくれた方にも
このカードを渡しています。

そうすると、状況が変わってきます。

初めて会った人なのか。
すでに勉強会に来てくれている人なのか。

それによって、伝えるべきことは
変わるはずなんですよね。

例えば、初対面の人に渡すなら、
公式LINEの登録を一番してほしい。

だったら、QRコードを3つも載せる必要はなくて、
「まずはLINE登録してください」と
一つに絞った方が分かりやすいかもしれません。

一方で、勉強会に来てくれている人なら、
すでにうちのことを知っています。
その人にはYouTubeやInstagramの方が
価値があるかもしれません。

つまり大事なのは、
「このカードを渡した人に、
どんな行動をしてほしいのか」

そこを明確にすることなんだと思います。

なんとなくQRコードを並べておく。
なんとなくSNSを載せておく。

そうではなくて、

このカードは何のためのものなのか。
相手にどうなってほしいのか。

そこをはっきりさせるだけで、
伝わり方は大きく変わる気がします。

お店でも、ショップカードを作っているところは
多いと思います。
でも、そのカードでお客さんに何をしてほしいのか。

そこを一度考えてみると、メッセージの精度は
ぐっと上がるんじゃないかなと思います。

今日はそんなことを考えた一日でした。

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視野を広げると、仕事のレベルは一気に変わる

今、ある物件で、外部の設計士の方と
タッグを組んで仕事を進めています。

これまでの仕事は、基本的に社内のメンバーで
設計も工事も進めてきました。
もちろん、それはそれで大きな問題もなく、
お客さんから設計について特別な不満を
言われたこともありませんでした。

なので、自分の中では
「これで十分やっていける」という感覚もあったんです。

でも今回、違う設計士の方と一緒に仕事をしてみて
正直に思いました。

「やっぱりすごいな」と。

アイデアの出し方や視点、空間の考え方。
お客さんの期待を超えるってこういうことなんだなと
改めて感じました。

その方が言われていた言葉も印象的でした。

「考えることは、もしかしたらこれから
AIに変わっていくかもしれない。
でも、実際につくるということは、
まだまだ人間の領域じゃないか」

そんな話をされていました。

ただ、僕が感じたのは、その前段階の「考える力」
つまり設計力やアイデア力の部分です。
もしそこまでAIに置き換わる時代が来たら、
本当にすごいことになるなと思いました。

そして何より感じたのは、自分の視野をもっと
広げる必要があるということでした。

自分の周りの世界だけで仕事をしていると、
それが当たり前になります。
「これが普通だ」と思ってしまうんですね。

でもいろんな人と出会い、いろんな仕事を見て
いろんな考え方に触れると、世界が一気に広がります。

「なるほど、これが設計か」
そんなふうに新しいイメージが
自分の中に生まれてくるんです。

人はイメージできないものは作れません。

逆に言うと、一度見たことがあるものや
体験したものは、頭の中に残るので
再現することができます。

例えば、料理も同じです。

一度も食べたことがない料理は、
想像することすら難しい。でも一度食べて
「こんな味なんだ」と知ると今度は、それに
近いものを作ろうとすることができます。

建築も、空間も、同じだと思います。

良い空間を見たことがある人は、
「あんな雰囲気の空間を作りたい」と
イメージすることができます。

でも、見たことがなければ、
そもそも発想が生まれません。

だからこそ大事なのは、
いいものを見ること。
いい体験をすること。
そして自分の中に蓄積していくこと。

よく「目を養う」と言いますが、
まさにそれなんだと思います。

自分の視野を広げる。
自分の世界を広げる。

そうすることで、仕事のレベルも自然と
上がっていくんだろうなと感じた一日でした。

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ロマンとそろばん

今日は、ある方と初めての打ち合わせでした。

発酵食のお店をやりたい。
地域の中で、人が集まる場をつくりたい。

そんなご相談でした。

実際にお会いしてみると
とにかく思いが熱い。

発酵食をもっと知ってほしい。
身体にいいものを届けたい。
地域の中にほっとする居場所を作りたい。

もうすぐ還暦を迎えられるタイミングで
身近なところでいろんな出来事があり
「人生って、いつまであるかわからない」
と強く感じられたそうです。

やりたいと思っていた。
でも、どこかで踏み出せなかった。

けれど
「やりたいなら、やってみよう」
と一歩を踏み出された。

その話を聞きながら
胸がじんわりと熱くなりました。

本当に、人生は有限です。
いつかやろう、は
もしかしたら来ないかもしれない。

だからこそ挑戦する姿は
それだけで尊い。

でも同時に
僕の頭に浮かんだ言葉があります。

ロマンとそろばん。

事業を成り立たせるには
この両方が必要です。

ロマンとは、思い。志。
どんな世の中にしたいのか。
どんな人に、何を届けたいのか。

そして、そろばんとは
お金の部分。
事業性。
収益構造。

どちらかだけでは続きません。

思いだけでは
ごはんは食べていけない。

逆に
お金だけでは
人の心は動かない。

今回の方は
ロマンは本当に強い。

例えば
おにぎりやお味噌汁を提供して気軽に
来られるカフェのような場所にしたい、と。

これ、すごく素敵です。

でも正直に言うと
おにぎりとお味噌汁だけで
安定した収益をつくるのは
立地的にも簡単ではないかもしれない。

だからこそ
どうやってロマンとそろばんを結びつけるか。

例えば
おにぎりや味噌汁を入口にして
発酵食の教室につなげる。

定期購入の商品をつくる。

オンライン講座を組み合わせる。

地域とリアルでつながりながら
学びや商品で収益をつくる。

方法は一つではありません。

大事なのは
「どうやったら事業として続くか」
から目をそらさないこと。

ロマンを守るためにこそ
そろばんが必要なんです。

ただ、今日強く感じたのはやっぱり
思いに勝るものはないということ。

あの熱量があるからこそ
知恵を出したくなるし
応援したくなる。

ロマンがあるから
そろばんを考える意味が生まれる。

もしこれが逆だったら
きっと心は動かない。

挑戦する姿は美しい。
でも、続く仕組みがあってこそ
その挑戦は誰かの希望になります。

ロマンとそろばん。

どちらも大事。
どちらも欠かせない。

今日の打ち合わせは改めてその原点を
思い出させてくれる時間でした。

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これじゃないよね、と言えた日

今日は、ドーナツ屋さんを開業されたい方
との打ち合わせでした。

いまは図面の詰めや、間取り、設計の細かな部分を
進めている段階です。
設計担当、つくり手側、そしてお客さん。
みんなで一つのテーブルを囲みながら
話を重ねています。

今日、すごくうれしかったことがありました。

それは
「みんなが同じ違和感を持てたこと」です。

今回のお店は米粉ドーナツ。

米粉は小麦と違って、空気に触れると
固くなりやすい性質があります。
お茶碗のご飯をラップせずに置いておくと
表面が乾いて固くなる。あれと同じです。

だから、品質を守るためには
袋に入れる、ラップする、密閉する、
といった工夫が必要になる。

そこで僕が
「例えば、袋詰めでこんな陳列方法も
あるんじゃないですか?」
と、参考写真をみんなに共有しました。

袋に入ったドーナツが、
きれいに並んでいる写真。

合理的です。
品質管理としては正しい。

でも、その写真を見た瞬間でした。

なんとなく
「これじゃないよね」という空気が流れました。

誰かが強く否定したわけではありません。

でも、みんなが同じ違和感を抱いていた。

袋詰めにすることで
出来たて感が薄れる。
ライブ感が消える。
どこか既製品っぽくなる。

このお店が届けたいのは、
ただのドーナツじゃない。

揚げたての香り。
その場の空気。
ちょっとワクワクする時間。

それが、袋に入った瞬間に
少し削がれてしまう気がしたんです。

もちろん、袋詰めが悪いわけではない。

でも「このお店としては違うよね」
と、みんなが同じ方向を向いて言えました。

これ、実はすごいことだと思っています。

細かいことです。
でも、こういう小さな判断の積み重ねが
お店のらしさをつくる。

きっと何度もコンセプトを話し合ってきたから。
どんな空間にしたいのか。
どんな人に届けたいのか。
どんな体験をしてほしいのか。

その時間を一緒に積み重ねてきたからこそ
「なんとなく違う」が共有できた。

僕はその瞬間が、とても嬉しかったです。

設計や施工って
図面を描くことだけじゃない。

空気を描くこと。
体験を守ること。

そのために、ときに合理性よりも
大事なものを選ぶことがある。

ささいなことに見えるけれど
そこにこそ、そのお店の魂が宿る。

今日の「これじゃないよね」は
きっと、このドーナツ屋さんの未来を
少しだけ強くした気がしています。

こうやって
みんなで同じ景色を見ながら進めること。

やっぱりお店づくりって
いい仕事やなと思った一日でした。

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