Category
お店づくりの軸を見つける対話
今、お店を始めたいというお客さんと打ち合わせをしています。
その方は自然食品を扱う小売業を考えておられて、
できるだけ多くの人に来てもらえるお店にしたいという
想いを持たれています。 お店を開くとき、やっぱり一番の不安は
「どうしたらお客さんが来てくれるか」なんですよね。
そこを考えるとき、アイデアはいくらでも出てきます。
たとえば、定期的にイベントを開くとか、
旬の野菜を多く揃えるとか、魅力的な商品を置いてみるとか。
ポイントカードで来店動機をつくるのも一つの方法です。
もちろん、どれも悪くない。でも「あれもこれもいいよね」
となってしまうと、お店の方向性がごちゃごちゃになって、
一貫性のない空間やコンセプトになってしまうリスクがあります。
そこで今回は「このお客さんは一体どんなお店にしたいのか」
という根本を掘り下げる時間をとることにしました。
軸となる想いを明確にし、それをもとに商品や空間、
サービスのすべてを設計していくためです。
約2時間の対話を通じて、最初はなかなか本質にたどり着けませんでした。
僕の質問の仕方もまだまだだったのか、
少し表面的な話が続きました。けれども、ある瞬間にお客さんが
「私、こういう商品はあまり売りたくないんです」と話されたんです。
その言葉がきっかけでした。 たとえば青汁や粉末酵素、
ペースト状の健康食品。一般的に「自然食品」と言われるものでも、
その方は置きたくないと言われたんです。僕からすれば、
自然食品のお店には合いそうな商品に思えたのですが、
その違和感こそが大事なポイントでした。
なぜそれを置きたくないのか。そこを掘り下げていくと、
お客さんの本当の想いが見えてきました。
それは「家族の食卓に会話が生まれるような時間を届けたい」
ということでした。粉末やペーストの食品は、
個人の健康には役立つかもしれない。でも
「家族で囲む食卓」や「一緒に食べる楽しさ」にはつながらない。
お客さん自身が、子どもの頃に自然の恵みを受けた
食卓で過ごした時間を大切な思い出として持っていたんです。
だからこそ、その温かい記憶を届けるお店にしたいという気持ちが
根底にあったんですね。 この気づきによって、初めてお店の
「軸」が見えました。 本人の中にはもともとその想いがあったのだと思います。
でも言葉にされていなかった。明文化されていなかったからこそ、
周りのスタッフや関係者にも伝わりにくかった。
お店づくりは多くの人が関わるものなので、
共通の軸があることで初めて一貫性のある空間が
つくれるのだと改めて感じました。
人のことを聞いているときには冷静にわかるのですが、
これは自分自身にも言えることです。
僕自身も「自分は何を届けたいのか」「どうありたいのか」を
日々問い直しています。言葉にし続けて、
精度を上げていくことが大切だと実感しています。
お店の軸を見つけること。それは単なるコンセプトづくりではなく、
その人の生き方を映す作業なんだと感じた打ち合わせでした。
「まず最初に、なぜこのお店をやろうと思ったんですか?」と聞いています。
お店づくりのご相談をいただいて、
はじめて打ち合わせの場に座るとき。
僕が最初に大切にしているのは、
「どんな棚がほしいか」「どんなカウンターにするか」といった細部の話よりも、
もっと手前の根っこの部分を一緒に見つめることです。
もちろん、空間のイメージや設備の要望も聞きます。
でもその前に、
まず僕が必ずお聞きしているのが、
「なぜこのお店をはじめようと思ったんですか?」
という問いです。
この問いに対する答えって、
すぐに出てくる方もいれば、
「うーん…あらためて聞かれると…」と戸惑われる方もいます。
でも、この想いの原点を共有できるかどうかで、
その後の設計や施工の方向性が全然違ってくるんです。
「誰に、どんな価値を届けたいのか」
「その人が、お店を通してどんな時間を生み出したいのか」
そういう根っこの部分が見えてくると、
棚の高さや、カウンターの奥行きに意味が出てくる。
どこに入口をつくるか、
どの壁を開けておくか、
どこに視線が抜けるようにするか。
すべてが、想いをかたちにする作業に変わっていきます。
だから僕は、
たとえお客さん自身がまだ明確にできていなかったとしても、
ゆっくりと問いを投げかけながら、
一緒にその想いを掘り起こすような時間をつくっています。
焦らなくて大丈夫です
すぐに言葉にならなくてもいい。
むしろ、一緒に考えていくことこそが「いい打ち合わせ」なんじゃないかと思っています。
どんなお店にしたいかはもちろん大切だけど、
「なぜそのお店をやりたいのか」がしっかり見えていると、
設計も施工も、ぶれずに進んでいけます。
僕たちはこれからも、
図面の前に「人の話」をしっかり聞く工務店でありたいと思っています。
#お店づくりの打ち合わせ
#想いを聞く工務店
#なぜこの店をやるのか
#設計の前にヒアリング
#想いが形になる瞬間
足を運ぶことの力
やっぱり営業って、最終的には「足を運ぶこと」が
すべてだなと感じました。
今、うちでは勉強会の参加者を増やしていきたいという思いがあります。
もちろん、仕事のご依頼をいただける機会も
増やしていきたいという気持ちも強くあります。
たとえば今度の10月25日の勉強会も、
定員8名のところ、現時点で4名。
なんとかしてあと4名増やしたいと思っているんです。
これまでの集客方法としては、既存のお客様や
過去の参加者に声をかけたり、SNSで発信したりしています。
ただ、やっぱりなかなかすぐには結果が出ない。
けれども「発信をやめたら終わり」だと思って、
コツコツ続けています。 そんな中、今度の勉強会で
スピーカーを務めてくださる「いつか森になるカフェ」さんのところに
打ち合わせに行ったんですね。そこで
「あと4名、なんとか集まればいいですね」と話していたら、
偶然その会話を聞いていたお客さんが
「どんな勉強会なんですか?私も参加してみたい」
と声をかけてくださったんです。
その場でエントリーしてくださって、さらに
「友達も誘っていいですか?」と言ってくださって、
最終的にその方が2名の友人に声をかけてくれて、
合計3名の追加参加となりました。
本当にありがたくて、嬉しかったです。
これってまさに「足を運んだからこそ起きたこと」
だなと思いました。事務所でパソコンに向かって
SNSを更新して待っているだけでは、絶対に起こらなかった出会いです。
さらに、その打ち合わせの前に、既存のお客様のところにも
少し顔を出したんです。別件の話をしたあと、
「実はここも見てほしい」「提案してもらいたい」
という新たな相談をいただきました。
これもきっと、直接会いに行ったからこそ生まれたご縁だと思います。
どんなにネット社会が進んでも、
やっぱり「会う」「話す」「顔を出す」ということが
一番効果的なんだと改めて感じました。
泥臭く、スマートじゃなくてもいい。
結局、人と人がつながるのは「リアル」な場からなんだと思います。
だからこそ、これからも僕は「足を運ぶ」ということを
大事にしていきたいと思います。
建物には「気」が宿る。だから、人との関わりが空間の空気を決めると思うんです。
僕は、
建物や空間には気が宿ると思っています。
気合いの気
気持ちの気
そして、空気の気
これまで、50軒を超えるお店づくりに関わらせてもらってきましたが、
やっぱり現場に立って感じるんです。
「この場所、なんか気持ちええなあ」って。
その感覚って、
設計がうまくいったとか、素材が良かったとか、そういうことだけじゃない。
「誰が、どんな想いで関わったか」が、そこに宿っている気がするんです。
たとえば──
お客さんが、僕ら施工側に対してもあたたかく接してくれて、
「暑い中ありがとうな」と声をかけてくれたり、
現場がスムーズに進むように準備してくれていたり。
僕らもその気持ちに応えたくて、
「この人のために、ちゃんとええものをつくろう」と、自然と気持ちが入る。
そうやって、
信頼の中で、
気持ちを込めて施工された空間には、
ちゃんとあたたかい空気が残るように感じるんです。
だから、そこに立つ人も、来る人も、
自然と「気持ちがいいな」と思える。
それが、
愛されるお店になって、長く続く理由のひとつなんやと思っています。
うちが関わったお店で、長く続いているところは、
やっぱりオーナーさん自身が、まわりとの関係性をとても大事にされています。
お客さん、スタッフ、施工する僕らのことまで、
ちゃんと人として接してくれる。
その姿勢が、空間の中に残って、
「ただの箱」じゃない、想いのある場所になっていく。
焦らなくて大丈夫です。
設計のうまさとか、素材の良さももちろん大事。
でも、人と人との関わりの中で、空間の気は育っていく。
僕たちはこれからも、
ただの工事じゃなくて、
「気持ちのこもった空間づくり」をしていきたいと思っています。
#建物には気が宿る
#想いが残る空間
#関係性でつくるお店
#信頼が空気を変える
#気持ちのいい場所のつくり方