
子どもの頃に憧れた背中。地域と「大人の姿」について
こんにちは。
今日は、僕たちの会社の理念やビジョン、日々の想いについて綴っています。
前回は、僕たちが描く未来の風景「人らしさがにじむ日本」についてお話しました。
今回は少し、僕自身の原点の話をさせてください。
■ 大工を目指したきっかけは、小学4年生
小学4年生のとき、僕の家をリフォームすることになりました。
その時に来てくれた大工さん。
何気ない作業のひとつひとつが格好よく見えて、
「こんな風に仕事をする大人になりたい」と思ったんです。
それが、僕が大工を志した最初のきっかけでした。
■ 技術ではなく、「姿」に憧れた
当時はもちろん、道具の名前も、技術のすごさもわからなかった。
でも、大工さんが働く姿、冗談を交えながら現場を動かす姿、
そして親にも丁寧に説明してくれる姿が、子ども心にとてもまぶしく映りました。
いわば、「あの背中」に憧れたんです。
■ 地域には「憧れられる大人」がいるか?
今、自分が大人になり、経営者になって感じるのは、
子どもたちが日常の中で大人に出会える機会が、どんどん減っているということ。
- まちを歩いても、会話は少ない
- 働く姿が見える場所が減っている
- 大人たちがどこか疲れて見えることもある
だからこそ、僕は思うんです。
「楽しそうに働く大人の姿」が、地域に必要なんじゃないかと。
■ 働く姿=生きる姿を見せる
お店を持つって、もちろん不安もあるし、大変なことも多い。
でも、その人が希望を持ってスタートして、生き生きと働いている姿は、
地域に元気を与える存在になっていきます。
そういう姿があれば、
子どもたちは「大人って楽しそう」「仕事って前向きなものなんだ」って感じられると思うんです。
■ だから僕たちは、お店づくりをしている
僕たちが小さなお店づくりにこだわっているのは、
ただ建物をつくるためじゃありません。
そこにいる「人の姿」が地域ににじみ出ていく、
そんな空間を一つひとつ増やしたいからです。
それが、子どもたちの目に入る「背中」になれば、
この仕事は本当に価値あるものになると信じています。
次回は、「不安を分かち合うこと」について
次回は、僕たちが施工や開業のサポートをするときに、
「不安をゼロにする」のではなく、「一緒に整えていく」ことを大切にしている理由についてお話します。
また読みにきていただけたら嬉しいです。

ひとりで抱え込まないために意識していること
僕が工務店を始めたとき、
最初はすべて自分でやるのが当たり前やと思っていました。
設計の打合せ、現場管理、職人さんとのやりとり、見積もり作成。
毎日、目の前のことに必死で、気づけば朝から晩まで働いている。
でも、やってもやっても終わらない感覚がありました。
創業当初は、
「自分が何をやってもナンバーワンでなければならない」
そんな錯覚のような気持ちに縛られていました。
今思うと、それは自信がなかったからこそ。
誰かに任せるのが怖かったんやと思います。
けどあるとき。
体調を崩しかけたときに、
「これ、続けていけへんかもしれん」と本気で思ったんです。
自分ひとりで何でもやろうとしていたけど、
そのとき気づいたのは、
「自分なんて、ほんとに何にもできてないかもしれへん」という無力さでした。
でも同時に、
現場で支えてくれている人たちの存在にも気づけた。
「あ、僕って、めちゃくちゃ助けられてるんやな」って。
それから少しずつ、
「自分でしなければならない」からの脱却ができるようになってきました。
もちろん今も、
人に任せるってめちゃくちゃ難しいです。
任せる以上は責任もあるし、思う通りにならないこともある。
葛藤は毎日あります。
でも最近は、
「人に頼っていいよ」って、
自分に少しずつ言えるようになってきました。
みんな、それぞれにすごい能力を持っている。
自分の力なんて、ほんまにしれてる。
だからこそ、信頼して、頼る。
僕が意識しているのは、3つのことです。
① まず「頼っていい」と自分に許可を出す
② 任せるときは“結果”じゃなく“プロセス”を見る
③ “小さく任せる”ところから始める
ひとりで全部やるのは、かっこよく見えるかもしれません。
でも、「任せながら進めること」は、かっこ悪いことじゃない。
それが、続けていくために必要な力やと僕は思っています。
焦らなくて大丈夫。
誰かを信じることで、自分も少しずつ強くなれる。
#工務店経営 #任せる力 #ひとり経営の限界 #頼っていいよ

「1万時間の法則」って知ってますか?──起業の武器は、積み重ねの中にある。
「1万時間の法則」って、ご存じですか?
ある分野でプロフェッショナルになりたいなら、
そのことに1万時間を費やすと、圧倒的に力がつくという考え方です。
1万時間。
たとえば1日8時間を毎日続けたら、約3年半。
1日3時間なら、約10年。
決して一夜で身につくものではない。
でも、確実に自分の中に蓄積されていく力があると思っています。
僕自身、22歳の頃に大工の道に入りました。
周りは遊んでいる年齢のときに、
僕は自分から“遊べない環境”を選んで、
本当に、ひたすらに大工の仕事に没頭してきました。
休みの日も、家で刃物を研いで、練習をして、
現場ではひとつでも多くを吸収しようと必死でした。
今思うと、あれが僕にとっての「1万時間」だったなと思います。
もちろん、起業に資格は要りません。
技術がなくても、想いと行動で成功していく人もたくさんいます。
でも、何か一つでも“これだけはやってきた”と自信を持てることがあると、やっぱり強い。

僕の場合、それが「大工」という職人技でした。
だから、起業するときにもそれを土台にできたし、
いまでも大きな柱になってくれています。
焦らなくて大丈夫です。
でも、もしこれから起業を考えているなら、
「あなたは何に1万時間を費やせますか?」
そんな問いを、ちょっとだけ持ってみてもいいかもしれません。
いきなり大きなことをしなくてもいい。
毎日の積み重ねが、やがて大きな力になる。
目の前の仕事を丁寧に、誠実に。
その時間もまた、ちゃんと「あなたの武器」になってくれると思っています。
#1万時間の法則
#起業の準備
#専門性を育てる
#職人としての原点
#毎日の積み重ねが力になる

完璧じゃないスタートでも、お客さんはちゃんと応援してくれた。
工務店を始めたばかりの頃、
「ちゃんと準備が整ってからじゃないと始めたらあかん」って、
ずっと思い込んでいました。
ロゴも仮。
名刺も仮。
実績も数えるほど。
SNSの発信もまだまだ。
「こんな状態で仕事もらえるわけない」
そう思っていた時期が、僕にもあります。
でも、実際にスタートしてみたら、
完璧じゃない僕に声をかけてくれる人がいた。
「まだ始めたばかりなんです」と話しても、
「頑張ってるな」「応援したいな」と言ってくれる人がいました。
そこではっきり思ったんです。
完璧じゃないとダメ、というのは、
結局“やらない理由”を自分に言い聞かせてただけやったんやなって。
そして、もうひとつ大事なこと。
完璧な状態なんて、いつまで経っても来ない。
準備すればするほど、
「まだ足りてない」と感じる。
「あれも整えてから」「これも準備してから」って、
動かない理由をどんどん自分で増やしてしまってた。
でも、お客さんは意外とそこを見ていない。
見ているのは、
「どんなふうに向き合ってくれるか」
「どんな仕事をしてくれるか」
だから僕は、今できることから始めました。
・時間と期日をしっかり守る
・現場をきれいに保つ
・目の前の人との約束をていねいに守る
それだけで、「またお願いしたい」と言ってもらえるようになりました。
焦らなくて大丈夫です。
完璧じゃないスタートでも、
ちゃんと見てくれる人はいて、
ちゃんと応援してくれる人がいる。
僕は、それを実際に経験してきました。
だから今、不安な人に伝えたい。
動いてみたら、景色は変わる。
完璧じゃなくても、ちゃんと届く。
その一歩を、どうか信じて踏み出してほしいと思います。
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