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お店づくりにかかるお金のリアル。僕が感じてきたことも添えて。
お店づくりを考えるとき、
ワクワクする気持ちと同時に、必ず出てくるのが「お金の不安」だと思います。
僕自身、独立したばかりの頃は、
「どれくらい資金がかかるんやろう?」
「全部合わせたら、一体どれだけ必要なんやろう?」
「どんどんお金が減っていく・・・」
と、漠然とした不安をずっと抱えていました。
今、たくさんのお客様とお店づくりをさせてもらう中で感じるのは、
お店づくりには、いろんな種類のお金がかかるということです。
今日は、僕の現場での体感も交えながら、
「どんな費用が必要か」をざっくり整理してみます。
① 物件取得費
まず必要になるのが、物件を借りるためのお金。
- 敷金(保証金)
- 礼金
- 仲介手数料
- 前家賃
これだけで、家賃の6か月〜10か月分の初期費用になることもあります。
特に商業物件は、住宅よりも条件が重たくなることが多いです。
② 内装工事・設備工事費
ここがメインの工事費です。
- 内装(床・壁・天井、カウンターや棚など)
- 設備(電気、水道、排水、換気、空調)
- 看板や外構(入口まわりや植栽など)
うちで担当させてもらっている工事の多くは、
フルリノベーションや増築を含めて、だいたい1000万円前後になることが多いです。
ただし、ここで言う「工事費」には、
専用の厨房機器や調理機材、業務用冷蔵庫などは含まれていません。
それらは別途、什器・備品費として必要になります。
③ 什器・備品購入費
内装が終わっても、実際に営業するには「道具」が必要です。
- テーブル、椅子、レジ、POS端末
- 厨房機器(オーブン、製菓機器、コーヒーマシンなど)
- 作業台や収納棚、照明器具 など
飲食店や菓子製造系の場合は、
厨房機器だけでも数百万円単位になることもあります。
ここは見落とされがちですが、かなり大きな項目です。
④ 広告宣伝費
オープン前には、お店を知ってもらうための宣伝も必要です。
- チラシやDMの印刷
- SNS広告・撮影費用
- ホームページ制作費
僕も独立当初、「宣伝は後でいいやろ」と軽く考えていましたが、
ちゃんと告知することが、オープン後のスタートダッシュにすごく影響することを実感しました。
⑤ 運転資金(半年分くらい)
これは「意外と忘れられがちな大切な項目」です。
お店がオープンしてすぐに軌道に乗るとは限りません。
だからこそ、
・家賃
・光熱費
・仕入れや材料費
など、半年分ほどの運転資金を確保しておくと安心です。
ここに余裕があると、判断にも心にもブレが出にくくなります。
お店づくりにかかるお金は、
「工事費だけ」じゃない。
物件取得、什器備品、宣伝、運転資金。
すべてをトータルで計画していくことが大切です。
そして、理想と現実の間で、
自分が何を大切にしたいかを常に見失わないこと。
僕も、最初はお金のことが怖かったです。
でも、一歩ずつ整理して、相談しながら準備していくと、
ちゃんと道は開けていきました。
焦らなくて大丈夫です。
お金の計画も、お店づくりの大切な一部です。
あなたのお店が、無理なく、安心して続けていける場所になりますように。
#お店づくり #資金計画 #費用のリアル #厨房機器は別 #独立準備
初めてのお店づくり。工事前にやっておくべき準備とは?
お店づくりを進めていくと、
「工事が始まる」というタイミングがやってきます。
いよいよ本格的に形が見えてくる。
ワクワクする瞬間でもあります。
でも実は、工事が始まる前に、
やっておいた方がいい大切な準備があります。
今日は、僕が現場で感じる
**「工事前にやっておくとスムーズになる準備」**を3つご紹介します。
① 自分のイメージを言葉や写真でまとめておく
「こんなお店にしたい」というイメージがあっても、
それを施工チームに直接伝える機会は、実はあまりありません。
現場に伝えるのは設計者の役割だからです。
でも、設計者との打合せの段階では、
お客様自身が自分の想いやイメージをきちんと整理して伝えることがとても大切です。
たとえば、
・参考になるお店の写真を集める
・好きな雰囲気を言葉でメモしておく
・「これは絶対に実現したい」というポイントを整理する
こういった準備をしておくと、
設計者に自分の想いがしっかり伝わり、
その結果、現場でもブレずに施工が進みやすくなります。
② 優先順位を決めておく
お店づくりには、必ず予算の壁があります。
「あれもしたい」「これも取り入れたい」と思っていても、
全部を実現するのは難しいことも多いです。
そんなとき、
・ここは絶対にこだわりたい
・ここは予算に応じて調整してもいい
こうやって事前に優先順位を決めておくと、
打合せのときに迷わず判断でき、結果的にいいお店づくりにつながります。
③ 工事中の連絡方法・ルールを決めておく
工事が始まると、
現場での急な判断や、確認事項がたくさん出てきます。
そのときに、
・連絡はLINE?電話?
・確認が必要なときはどうするか?
事前にルールを決めておくだけで、
やりとりがスムーズになります。
小さなすれ違いが減るので、トラブルも防げます。
お店づくりは、現場に入る前の「準備」で決まる部分も大きいです。
ワクワクする気持ちも大切にしながら、
一歩一歩、丁寧に準備をしていきましょう。
焦らなくて大丈夫です。
あなたのお店のかたちが、きっと着実に出来上がっていきます。
#お店づくり #工事前準備 #設計打合せのコツ #失敗しない現場づくり
物件探しで失敗しないために。けれど、すべては立地だけじゃない。
お店づくりを考えるとき、
まずワクワクするのが「物件探し」かもしれません。
「この場所でこんなお店やりたいな」
「この建物、雰囲気いいな」
そんなふうに、夢が広がる瞬間は本当に楽しいものです。
でも、物件選びで大切なことは、
ただワクワクだけで決めないこと。
現実的な目線も持ちながら、じっくり選ぶことが大切だと僕は思っています。
今日は、物件選びでチェックしておきたいポイントを3つに絞ってお伝えします。
① 立地とターゲットの相性を考える
一般的には、立地とターゲットの相性はとても重要だと言われます。
たとえば、
・ファミリー向けなら住宅街近く
・静かに過ごしたい人向けなら裏路地のカフェ
・若者向けなら駅近の人通りが多い場所
ターゲットと場所がズレていると、なかなかお客様が来てくれないこともあります。
でも実は、僕自身、物件選びの現場でたくさんのお店を見てきて、
「立地だけがすべてじゃない」と感じることも多いです。
たとえば、うちのお客様の中には、
住宅街のど真ん中、駐車場もない立地でパン屋さんをオープンされた方がいます。
一見すると厳しい条件に見えるかもしれませんが、
今では毎日たくさんのお客様が来られ、すごく繁盛されています。
「立地=すべて」ではない。
それよりも、「どんなお店をつくるか」「どうお客様とつながるか」の方が、ずっと大事なんだと思わされる出来事でした。
② 建物の状態(特に設備)も必ず確認する
見た目がきれいな物件でも、
配管、電気容量、排水設備などの「裏側」が古いことはよくあります。
厨房をつくる予定なら排水や換気、
美容室なら給排水、カフェなら電気容量。
表面的なきれいさだけじゃなく、設備面の状態もしっかり確認することをおすすめします。
③ 契約条件もしっかり読む。でも心配しすぎなくていい場合もある
物件契約では、
・原状回復の範囲
・改装の許可範囲
をきちんと確認しておくのが基本です。
でも、うちのお客様を見ていると、
約95%の方が今も変わらずお店を続けていらっしゃいます。
退去して苦労した例はほとんどありません。
つまり、「やめるときの心配」よりも、
「続ける前提でお店を育てること」の方がずっと大事だと、僕は感じています。
物件選びに絶対の正解はないかもしれません。
でも、冷静な目線と、そして何より自分の想い。
このふたつを大切にしながら選んでいけば、
きっとあなたにとってベストな場所に出会えるはずです。
焦らず、じっくりいきましょう。
#物件探し #お店づくり #独立準備 #立地だけじゃない
「土間を伸ばさなかった理由。」見えない部分に、職人の“判断”がありました。
土間を打つ工事。
ただコンクリートを流し込んで平らにするだけ――そう思われがちかもしれません。
でも、実はそこには現場ごとの細やかな判断と、職人の感覚が詰まっています。
今回の現場では、隣地の建物との境目に土留めのブロックを設けました。
ここは、本来なら建物(隣地)に直接土間を延ばしていくことも可能な場所でした。
しかも、その建物の所有者は同じ。つまり、「やろうと思えばできた」工事だったのです。
それでも、職人さんはあえて“やらない”という判断をしました。

なぜブロックを設けたのか?
この判断には、いくつかの理由がありました。
隣地の建物に土間をぶつけることに、抵抗があった。
どれだけ丁寧に仕上げても、建物に直接接する施工にはリスクが伴います。
仕上がりがきれいに見えにくい。
直線のブロックで止めた方が、ラインが出て美しく納まる。
建物の換気口をふさいでしまう可能性がある。
実際、壁際には換気スリットがあり、それを埋めてしまうと機能に影響が出る。
こうした細かい配慮が重なり、あえてブロックを積む選択をしてくれたのです。
その結果として、小さな“溝”が生まれました。
ただし、それで水がたまるようでは意味がありません。
そこで、その溝に勾配をつけて、雨水が滞留しないように仕上げてくれました。
目立たない部分ですが、こうした調整が「住んでからの快適さ」や
「後のトラブル防止」につながります。
何気ない一手間に見えるかもしれませんが、
「この判断ができるかどうか」が、僕はプロの仕事だと思っています。
自分で判断し、責任を持って仕上げてくれる。
そんな仲間がいることが、やっぱりちょっと誇らしいです。