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パン屋エメモア開業ストーリー|第2話 

「資格と現実のはざまで、揺れる心と向き合って」 

人生には、思いがけないタイミングで大きな転機が訪れる。 
真貴子さんにとってそれは2人目の妊娠と、ある「パン屋の居抜き物件」との出会いだった。 

でもその前に―― 
彼女は自分の夢と目の前の現実の間で、長い時間悩み続けることになる。 

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大学病院での栄養指導の仕事は、日々新たな学びに満ちていた。 
3000人以上の患者さんと向き合いながら、「食べることが人の生活をどう支えているか」「人はどんなときに、食を変えようと決意するのか」を、肌で感じていった。 

「本当の健康ってなんだろう?」 
「毎日バランスを考えて食事を作ることが正解なのか?」 

努力する人もいれば「薬を飲めばいい」と割り切る人もいる。 
正解が一つじゃない現実に直面しながらも、真貴子さんの中にあった「カフェをやりたい」という夢は、やはり消えてはいなかった。 

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結婚後は夫の転勤で磐田、さらに名古屋へ。 
生活は一変し、仕事よりも「家庭」や「育児」に軸足を置くようになっていく。 

「夢はあったけど生活も楽しかったんです」 
「気づけば日々に流されていました」 

カフェ開業の想いを忘れていたわけじゃない。でも、毎日をこなすだけで精一杯だった。 
特に、第一子出産後は、産後うつと育児ノイローゼにも悩まされるようになる。 

「知り合いもいない土地で、朝から晩まで子どもと2人きり。コロナ禍も重なって、世界から取り残された気分でした」 

そんな中で強く感じたのは、人とのつながりの大切さだった。 

「話せる人がいない」 
「社会と切り離されているような感覚」 

このままではいけない。自分が壊れてしまう―― 
そう思った彼女は、再び働きに出る決意をする。 

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当時、託児所付きの特別養護老人ホームで栄養士としてパート勤務をスタート。 
再び「自分の役割」を取り戻せたことで、少しずつ前向きな気持ちが戻ってきた。 

ところが、勤務先の正社員栄養士が突然退職。 
後任が見つからず、真貴子さんが正社員として抜擢されることに。 

仕事のやりがいはあった。お給料も上がった。 
でも責任も大きく、1人で回さなければならない現場に日々追われていった。 

「忙しすぎて、自分が何をしたいかも考える余裕がなかった」 
「だけどふと立ち止まったときに思ったんです。本当の幸せって何だろうって」 

そして2023年、第二子の妊娠を機に産休に入る。 
少し時間ができたそのタイミングで運命の声がかかる。 

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奈良で人気だったパン屋の店主が、お店をやめるという話が舞い込んできた。 

声をかけてくれたのはご主人の専門学校時代の同級生。 
「この物件、居抜きで入らない?」 

あまりにも突然の話。だけど、夫婦2人で交わしたある約束がよみがえる。 
「いつか2人でパン屋をしようね」 

「それがまさか今?」 
「このタイミングで?」 

彼女は迷った。生後間もない0歳の娘もいる。名古屋に住んでいて、奈良でお店を開くには引っ越しも必要だ。 

けれど心は決まっていた。 
今しかない 
もう一度、人生を自分で選びたい 

「この生活を変えたい」 
「夢をもう一度、形にしたい」 

その想いはご主人にも伝わっていた。 
「一緒にやろう」と、2人はパン屋開業に向けて動き出すことになる。 

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でも、現実は甘くなかった。 

「まずは何から始めればいいの?」 
「お金はどうする?」「子どもは?」「本当にやっていけるの?」 

不安は山のようにあった。 
それでも、動かなければ何も始まらない。 

彼女は「奈良 起業 支援」と検索して出てきた、奈良県地域産業振興センター 奈良よろず支援拠点の創業初心者セミナー「夢をかなえる土曜塾」に申し込む。 
土曜塾は起業を目指す人に向けた全6回の勉強会で、Zoomを使って個別指導が受けられる内容だった。 

さらに知人の紹介で税理士さんとも出会い、創業計画の相談にも乗ってもらえるようになった。 

「お金のことが一番不安でした。でも、まずは行動しないと始まらない。人に頼っていいんだって、ようやく思えるようになったんです」 

こうして、夢は少しずつ計画になり、そして現実へと近づいていく。 

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「やりたい」だけでは、起業はできない。 
だけど「やらないと後悔する」と思ったとき、人は一歩踏み出せるのかもしれない。 

夢の実現にはタイミングと覚悟が必要だ。 
そして何より、信じて動き出す最初の一歩を恐れないこと。 

「お金も子育ても不安だらけだったけど…今はあのときの自分に、よく決断したねって言ってあげたいです」 

こうして真貴子さんはご主人を名古屋に残し、4歳と1歳になる娘たちと先に奈良へ引っ越しをして、準備を進めていく。 

「もう後戻りはしない」 
背中には、夢と覚悟を詰め込んだリュックひとつ。 

次はいよいよ「開業に向けたリアルな資金計画と乗り越えた壁」の話―― 

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【第2回 はじめの一歩勉強会 開催しました!】


6月21日、
「はじめの一歩 勉強会」を開催しました。

今回は、
・行列のできるカフェに育てあげたオーナーさん
・子育てと両立しながら洋裁教室をスタートされたオーナーさん

このお二人をゲストにお迎えし、
それぞれの開業の道のりや、
想いの持ち方についてリアルにお話しいただきました。

参加者のみなさんからは、
こんな声が届いています:

「一歩前に進んでみます」
「家族との両立や想いの持ち方に共感しました」
「夢が少し現実味を帯びてきた気がします」

前向きな言葉がいくつも飛び交い、
会場はとても温かく、
力強い空気に包まれていました。

\ 今回は11名が参加 /
少人数だからこそ、
じっくり学び、語り合える時間になりました。

なんと終了後も話が尽きず、
結局20時半ごろまで延長して大盛り上がりに。

今後もこうした“リアルな学びの場”を
定期的に開催していく予定です。
次回のご案内も、どうぞお楽しみに。

「やってみたい」を「やってみよう」に変える場づくり。
これからも、丁寧に続けていきます。

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パン屋エメモア開業ストーリー|第1話 

「夢の種は、小さな違和感から芽を出した」 

奈良市出身の岩瀬 真貴子さん。 
現在34歳。奈良ののどかなまちで、ご主人とともにパン屋 

「Boulangerie Aime moi(エメモア)」を営んでいる。 

お店を訪れる人は口を揃えて言う。 
「ここのパンはやさしい味がする」 

「また来たくなる」 
そしてほとんどの人がリピーターになっていく。 

そんな繁盛店は、ごく普通のひとりの女性が感じた 

小さな違和感から始まった。 

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真貴子さんは大学卒業後、管理栄養士の国家資格を取得した。 
食べることと人の健康を支えることに興味があり「子どもが好き」という理由から、卒業後は保育園の栄養士として就職。 

だが現実は想像以上に厳しかった。 
3人で120食分の給食を作る職場。慌ただしい厨房。ルーティンに追われる毎日。 

「子どもが好きで選んだ道だったのに、気づけば自分の時間も心の余裕もなくなっていて…」 

そんな日々を過ごすなかで、ふと頭に浮かんだのは、学生時代に抱いたある想いだった。 

「いつか、カフェを開いてみたい」 

もともとカフェ巡りが好きで、週末には大阪中のカフェを巡っては、 

空間や器、盛り付けを楽しんでいた。 
21歳の頃には「将来自分のカフェをやりたい」と夢見るようになっていたけれど、仕事を始めてからはすっかり忘れていた。 

ただ、その夢は心の奥で静かにくすぶり続けていたのだ。 

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ある日、思い切って職場を退職。 
次に選んだのは大阪の健康志向のカフェだった。 

そこはいわゆる普通の飲食店ではなかった。 
「独立を応援する」という方針を掲げており、働きながら料理・接客・経営のすべてを学べる場所だった。 

「子ども向けの給食は作れても一般の大人が喜ぶ料理には自信がなかったので、いちから教えてもらいたかったんです」 

転職後わずか1ヶ月。仕込み担当のスタッフが突然辞めてしまうという出来事が起きた。 
代わりが見つかるまでの間、彼女が一人でその役を担うことになった。 

平日は60食、土日は120食。 
仕込み、調理、段取り、味付け、時間管理――すべてが試練だったが、気づけば自分の力が確かに積み重なっていく感覚があった。 

「やればできるんだ」 
「少しずつ夢に近づいている」 

そして何より、ここで働く社員の多くが実際に独立していく姿を見ていた。 
わずか10ヶ月の間に、イタリアン、居酒屋、スイーツカフェ…と、5人以上がそれぞれの夢を叶えて羽ばたいていった。 

「いつかやりたいじゃなくて、やろうと思えばできるのかもしれない」 

それは、彼女の心に芽生えた小さな夢の種に、初めて水が注がれた瞬間だった。 

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しかし、そんな前向きな日々にある出来事が影を落とす。 

常連のお客様のひとりに、拒食症と思われる女性がいた。 
ある日、その方がメニューを上から下まで、前菜もメインもデザートもすべて注文し、すべて完食された。 

お店側としては「たくさん食べてくれて嬉しい」と思うべきことだったのかもしれない。 
けれど、管理栄養士としての視点を持つ真貴子さんにとっては、複雑な気持ちが残った。 

「この人、本当に大丈夫かな…」 
「もし自分がお店を開いたときに、こういうお客さんが来たらどう接すればいいんだろう?」 

食は人を幸せにする。 
でも、間違ったかたちで関われば体を傷つけることもある。 

「私、本当にちゃんと食のこと分かっているんだろうか?」 

この体験をきっかけに彼女はもう一度食と健康に正面から向き合うため、大学病院に勤務し、栄養指導を学び直す決断をする。 

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病院では3,000人以上の患者さんと出会った。 
食生活を変えようと一生懸命努力する人もいれば、「薬を飲んでいたらいいわ」と諦める人もいた。 

「健康を伝えるってきれいごとだけじゃ通用しない」 
「その人の生活や人生に寄り添ってこそ本当の意味がある」 

そんな現実に触れ、彼女の考え方は少しずつ変わっていった。 

健康だけを追い求めるのもどこかで疲れる 
美味しさだけを追い求めても誰かの体を壊すかもしれない 

この両方のバランスのなかで「自分にしかできない食のかたち」を模索し続けた。 

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その後結婚し、夫の転勤で磐田・名古屋へ。 
子育てや家族との暮らしが日々の中心となり、カフェの夢は再び遠のいたように思えた。 

でも心の奥底ではいつも、やっぱりいつか自分のお店を持ちたいという思いが消えていなかった。 

そして―― 
このあと、まさに「人生の転機」が思わぬかたちで訪れることになる。 

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理想の売上は、理想の利益から逆算して決める

「理想の売上って、どう決めたらいいんですか?」 

そんなふうに聞かれることがあります。 

僕も独立したての頃は、
なんとなく「月100万円いけたらすごいよな」とか、 
まわりの人の数字を参考に、雰囲気で考えていたことがありました。 

でも今は、はっきり思っています。 

「売上は、理想の利益から逆算して考えるもの」だと。 

どれだけ売上があっても、 
経費がかさんで利益が残らなければ意味がない。 

逆に、そこまで売上が高くなくても、 
利益がちゃんと残っていて、無理なく働けていたら 
それは理想に近い状態やと思います。 

この「理想の利益」は
自分個人の暮らしのためだけじゃなく、 
会社としての安定と継続にもつながってくると感じています。 

僕が今、売上を考えるときに見ているのは、まずここです。 

  • 固定費はいくらかかっているか?(家賃、人件費、保険、通信費など) 
  • 社員の給料や将来の昇給を考えて、どれくらい利益を残す必要があるか? 
  • 僕自身の時間や技術への対価は、きちんと含まれているか? 
  • 万が一に備えられる余白が取れているか? 

こういうことをざっくりとでも数値で整理して、 
「じゃあそのためには売上がどれだけ必要か?」を逆算しています。 

売上は結果です。 
でも、利益は土台であり会社を支える力だと思っています。 

利益が残るからこそ、 
会社として社員のチャレンジも応援できるし、 
いざというときに守ることもできる。 

僕は、売上を上げることが目的ではなく、 
自分たちが納得して、続けていける形を作ることが目的やと思っています。 

そのために必要な売上を、利益から逆算して考える。 
これが、僕にとっての「理想の売上」の考え方です。 

焦らなくて大丈夫です。 

理想の売上は、まわりと比べて決めるものではなくて、 
自分たちの働き方や、大切にしたい価値観に合わせて設計するもの。 

それができてはじめて、売上という数字にも意味が出てくると思います。 

 
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