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「やる人」は、もう動いている。

昨日、とある店舗オーナーさんとの打ち合わせがありました。
その方は、すでに2店舗を経営していて、

今は3店舗目の出店を計画中。

不動産はまだ確定していない。
補助金の申請時期も明確じゃない。
オープンの時期も「このあたりかな?」くらい。

…それでも、「3店舗目やります」と。

「もう、物件はだいたい決めてるんで」
「補助金はタイミング合わないのでなしで進めます」

そんな言葉が、どんどん飛び出してくる。
これが“やる人”なんだよな、と感じました。

何もかもが決まってから動くのではなく、
「やる」と決めてから、どんどん現実を追いつかせていく。

もちろん、補助金の有無は大きい。
50万円とか200万円・・・あるなしは大きい。

でも、補助金が出るかどうかに関係なく、
「やるって決めたから、やる」
そんな言葉には、覚悟がにじみ出ていました。

こういう人って、すごく現場のことをよく見てるし、動きも早い。
すぐに物件を見に行って、水道の位置を確認したり、動線を歩いてみたり。
図面を見ながら、「ここに厨房機器を置く」「ここはレジ」「ここに棚を」って、もう頭の中ではお店ができてるんです。

「じゃあ、何をいつまでにやる?」という段取りも、すっと整理できてる。
まだ不動産契約も済んでないのに、ですよ。

こうやってお店を立ち上げていく人って、
最初の一歩の踏み出し方がとにかく早い。

「まだ〇〇が決まってないから…」
「補助金がおりたらやろうかな…」

そんな風に立ち止まってしまう人も多い中で、
“決めて、動く”人はやっぱり違う。

「やる」と決めたからこそ、情報も人も自然と集まってくるんですよね。

改めて思いました。
お店をつくるって、勇気がいること。
でも、それをやってのける人って、やっぱり未来を信じてる。

僕たちも、そんな人の背中を押せるように、
ちゃんと寄り添って、段取りして、一緒にかたちにしていきたいです。

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アフタートーク 自分の根っこにあるもの

独立してすぐの頃、 とにかく不安でいっぱいだった。 

仕事があるかどうか、 

食べていけるのか、家族を養えるのか。 

 誰にも見えないところで、 

毎日、必死で心の中で自分に問いかけていた。 

「僕、大丈夫か?」って。 

でもその不安を見せるのが、とにかく怖かった。 

 “独立したんやろ、強くあれ”という声が、 

どこかで聞こえてくるような気がして。 

 だから僕は、強さを演じることで安心を買おうとした。 

ちょっと良い車に乗ってみたり、  

良い時計をしてみたり、  

「順調そうやな」って言われたくて。 

もちろん、見せかけなんていつかバレるってわかってたし、  

そんなことしても本当の安心なんて得られないって、 

心の奥では気づいていた。  

それでも、“大丈夫に見える自分”を演じることが、  

唯一、その頃の自分を守る手段だった。 

思い返せば、 

もっとずっと前からそうだったのかもしれない。 

高校生の頃から、 

僕は「人と同じ」が嫌だった。 

 髪型を変えてみたり、古着を着たり、 

 周りと違う自分を演出していた。 

「僕は人と違うんや」って言い聞かせることで、  

どこかで自分の存在を肯定したかったのかもしれない。 

でも、ほんとうに心から繋がっていた友達は、 多くなかった。 

浅く広くもない、狭くて浅い関係が多かった。 

 ずっと、どこかで孤独を感じていた。 

会社をつくって、社員が増えても、  

「経営者は孤独や」と自分に言い聞かせて、  

心の奥では「誰にもわかってもらえへん」って思ってた。 

でも、最近ようやく、一緒にやっていける仲間が見えてきたんです。 
嘘じゃなく、ちゃんと本音で繋がれる関係。 
強さを見せなくても、受け入れてくれる人たち。 
この感覚は、僕にとってものすごく大きな支えです。 

そして、今ようやく少しずつ、 

過去の自分を肯定できるようになってきた 

気がしています。 

そんな僕がずっと大切にしてきたのが、 

リフォームという仕事です。 

うちは新築をやっていません。 

 空き家や古い建物を活かして再生すること、  

そこに強い思いがあります。 

なぜかと言うと、 

 僕は「壊して新しくする」ことに違和感が 

あるからです。 

古いものには、その場所で過ごしてきた時間がある。 

 歴史があり、誰かの想いが残っている。  

目には見えないけど、 

確かにそこにある「気配」みたいなものを、 

僕は大切にしたいと思う。 

だから、 

工業製品のような“新建材”はなるべく使いたくない。  

使っても使っても、 

味が出てこないから。  

年数が経つほどに魅力が増す、  

そういう素材で空間をつくっていきたい。 

それは、まるで自分自身にも重なる。 

過去をなかったことにしたり、  

弱さを隠して新しい自分を演じるんじゃなくて、  

今まで生きてきた“そのまま”を抱きしめながら、 

 また歩き出していく 

—— そんな姿を、空間を通して支えたいと思っている。 

「人が人らしくいられる場所を。」 

これは会社の理念でもあるけれど、  

今の僕自身の在り方でもあると思っている。 

強がらなくていい。 大きく見せなくてもいい。 

 不安があってもいい。 ちゃんと一人ひとりが、 

そのままで価値があると思える場所。 

そんな空間をつくっていくことが、  

自分自身を整えることにもなっている。 

ようやく僕は、強さを演じる自分から、  

ほんとうの自分に還ってこられた気がしている。 

僕がこうした価値観を持つようになった背景には、 

 小さい頃に育った田舎での記憶がある。 

そこには人と人との関係性があった。 

 顔が見えるやり取り、心のつながり。  

お金や物じゃない、人の温度がちゃんとある世界。 

決して裕福とは言えない地域だったと思う。  

でも、子どもながらに「豊かそうだな」と感じていた。 

小さな商店がいくつも並んでいて、  

「これ、今日も美味しいよ」と声をかけてもらえるような、 

 そんな顔の見えるやり取りが日常にあった。 

きっと僕は、その光景に安心していたし、  

あの景色を、もう一度取り戻したいんだと思う。 

これからも、 

自分らしくいられる場所を、  

誰かと一緒に、 

少しずつ、 

増やしていきたいと思っています。 

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ケーキ屋「小さな菓子屋aya」開業ストーリー    第3話

「情報がない・相談先がない── 手探りで進めた開業準備のリアル」

開業を決めたとはいえ、そこからが本当のスタートでした。
やりたい気持ちはある。でも、現実は「わからないことだらけ」。お店を持つには何をすればいいのか、誰に相談したらいいのか、インターネットで調べても断片的な情報しか出てこない。まさに手探りの日々でした。

■ まずは物件探しから

お店を始めるには、まずは場所が必要です。けれども、自宅を店舗として使うのか、テナントを借りるのかでも大きく変わります。私は幸い、住まいの敷地内にスペースがあったため、そこを利用できないかと考えました。

ただ「ここに建物を増やしてお店にする」という発想が、そもそも当時の私にはまだはっきりイメージできていませんでした。建て替えなのか?増築なのか?リフォームなのか?どういう依頼先にお願いすればいいのかも分かりません。

最初はよく耳にするハウスメーカーに相談しました。でも返ってきたのは「増築」という枠での提案。提示された金額は、私が想定していた金額よりはるかに高く、到底現実的ではありませんでした。厨房や店舗用の設備は別途必要で、そちらの費用は見積もりに含まれていない。これでは到底進められない…と早々に断念しました。

■ ノトスさんとの出会い

「誰に相談すればいいんだろう…」と迷っていた頃に、縁あって今のノトスさんを紹介していただきました。最初の打ち合わせでは、今まで誰にも言えなかった「予算の現実」も素直に相談しました。
「これくらいの規模で、できれば○○○万円台で抑えたいんです…」

でも、その時に工務店さんが
「いけますよ。内容によりますけど、なんとか現実的に収まるラインで考えましょう。」
と言ってくれたとき、初めて「できるかもしれない」と実感できたのです。

この一言が、私にとっては大きな希望になりました。

さらにありがたかったのは、工事そのものだけでなく、厨房機器や設備、内装のことまでトータルで相談に乗ってくれたことです。お菓子屋の厨房は、家庭のキッチンとはまったく違います。オーブン・冷蔵庫・ミキサー・作業台…必要な機器がたくさんあります。それらをどう配置すれば効率よく動けるのか、プロの目線で一緒に考えてもらえたのは心強かったです。

■ 自己資金で進める決断

私は当初から、銀行融資は使わず、自己資金のみで進めると決めていました。これまで10年以上、現金支給でもらってきたお給料をコツコツと貯めてきた結果、何とか開業資金に充てられる金額まで積み上げていました。

ただ、それでも全てをまかなうにはギリギリでした。
「どこまでお金をかけるか」
「何を優先して予算を振り分けるか」
これは常に悩みました。

機材一つをとっても、オーブン、冷蔵庫、ショーケース…どれも高額です。新品で揃えればきりがなく、中古で探すにも状態の良し悪しや保証の問題があります。ここでも、先に開業していた知人や、元職場の先輩たちのリアルな情報が本当に役立ちました。

■ 相談できる人がいた安心感

思えば、開業準備の一番の支えは「相談できる人がいること」でした。

・元職場の上司
・先に独立していた友人
・夫
・家族

・工務店さん

自分の考えや迷いを聞いてくれる人がいるだけで、心の負担はずいぶん軽くなりました。もちろん、最終的に決断するのは自分自身です。でもその過程で「この考えでいいのかな」と確認できる相手がいることが、どれだけ大きかったか分かりません。

■ 事業計画書を書いてみた

誰に提出するわけでもありませんが、自分の頭を整理するために事業計画書も作ってみました。

・月々の売上目標
・仕入れの予算
・光熱費や家賃の支出
・材料費や人件費の試算
・想定される利益

書き出してみると、ぼんやりしていた不安が少しずつ整理され、数字として見えるようになりました。「ちゃんとやれば、もしかしたらやっていけるかもしれない」という小さな自信にも繋がっていきました。

もちろん、この計画書がすべて現実通りに進んだわけではありません。むしろ、オープンしてからは予定外のこともたくさん起こりました。ただ、少なくとも「何にいくらかかるのか」「毎月いくら稼げば赤字にならないのか」という基本的な感覚は、この時点で養われていたと思います。

■ 迷った時に助けになったもの

実は準備期間中に、友人の勧めで占いにも行きました。
「本当に今動いていいのかな…」
そんな不安を抱えていた私に、その方は「今はすごく良い流れが来てますよ」「タイミングとしては動いていいですよ」と言ってくれました。スピリチュアルな話は信じすぎても危険ですが、このときは素直に背中を押してもらえた気持ちになりました。

結局、占いの結果を信じたというよりも、「誰かに背中を押してもらいたかった」だけなのかもしれません。でも不思議なもので、その直後に厨房機器の中古譲渡の話がまとまったり、施工スケジュールが順調に決まったりと、歯車がどんどん噛み合っていったのです。

■ 本当にやるのは「決断力」

今思えば、開業準備の期間で一番必要だったのは「決断する力」だったように思います。
・ここにお金をかけるか、削るか
・この物件に決めるのか、もう少し探すのか
・この設備で妥協するのか、理想を追うのか
・オープン日はいつに設定するのか

悩めば悩むほど決断は重くなり、時に足が止まってしまいそうになりました。そんな時、相談できる人の存在が本当に心強かったのです。そして何よりも、自分が積み重ねてきた経験が「今なら大丈夫」と最後は自分を納得させてくれました。

こうして、いよいよ工事がスタートし、開業日が現実として近づいてきたのです。

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ケーキ屋「小さな菓子屋aya」開業ストーリー    第2話

「10年以上の修行を経て、いよいよ訪れた独立のタイミング」

10年以上働いた職場を離れる。
これまでの積み重ねがあるからこそ、辞める決断は簡単なものではありませんでした。けれども店舗移転の話をきっかけに、私はついに「自分のお店を持つ」という道を選びました。

実は、このタイミングに決断したのは、突然ではなく、ゆるやかに準備してきた流れもあったのです。独立を少しずつ意識しはじめたのは、仕事に慣れてきた数年前からでした。「もし今の職場を離れることがあったら、次は自分のお店をやってみたいな」と、漠然と思っていたのです。

ただ、その思いを実際の行動に移すのは簡単ではありませんでした。いざ独立となると、自分が抱える現実的な不安がいっきに押し寄せてきました。
「資金は本当に足りるのか」
「場所は見つかるのか」
「本当にお客様は来てくれるのか」
考えれば考えるほど、不安は尽きませんでした。

それでも、やはり支えてくれたのは家族と職場の理解ある上司でした。

夫は「お金のことは心配やけど、やってみたらええやん」と、背中を押してくれました。実際、住宅ローンもまだ残っているし、子どもたちの将来のことも考えれば、決して楽ではありません。それでも私が思い切って一歩を踏み出せたのは、家族のこの一言があったからだと思います。

上司は、長年一緒に働いてきた私の仕事ぶりを見てくれていました。
「あなたなら大丈夫やと思うよ。」
その言葉にどれほど勇気づけられたか分かりません。

私の性格として「新しい人間関係をゼロから築く」ということに、正直かなり苦手意識がありました。だからこそ「他の職場に転職」という選択肢は早い段階で消えていました。せっかくなら自分の裁量で、思い描くお店作りをしてみたい。自分が納得できる空間で、自分の作ったお菓子を提供したい。そう強く思うようになっていきました。

■ 少しずつ現実に近づいていく「準備」

ただ、思いを持っただけでは開業はできません。そこからは実務的な準備が始まりました。何もかもが手探りでした。開業資金はいくら必要なのか?家賃の相場は?厨房設備はいくらするの?……分からないことだらけです。

そこでまず私がしたのは、同じようにお店を持っている知り合いや先輩たちに片っ端から話を聞きに行くことでした。
「どのくらいの資金で始めたの?」
「厨房機器はどこで揃えたの?」
「内装工事ってどんなふうに進めるの?」
具体的なリアルな話を聞くことで、少しずつイメージが具体化していきました。

その一方で、物件探しも始めました。ネットでも探しましたし、不動産屋も回りました。候補物件もいくつか出てきました。そんな中で悩んだのが「増築」という選択肢でした。ハウスメーカーにも相談しましたが、見積もりを取ってみるとかなりの予算オーバー。設備の見積もりが乗っておらず、店舗仕様としては全く現実的な金額ではありませんでした。

「これはちょっと無理やな…」
現実の壁にぶつかりかけていた頃、ご縁があって今のノトスさんに出会いました。

■ 工務店との出会い

これが、大きな転機になりました。はじめて打ち合わせに行ったとき、予算感の話になりました。
「○○万円台ぐらいでなんとかなるんじゃないかな。」
その言葉に、私は希望の光が見えました。

もちろん工事内容次第で多少の増減はあるとわかっていましたが、「これなら現実的にできるかも」という感覚が初めて持てた瞬間でした。それまでは、夢はあっても現実が追いつかないという焦りばかりだったのです。

工務店の担当さんは、設備の手配や厨房機器の相談など、私が全くわからなかった部分も含めて一緒に整理してくれました。誰に相談したらいいかわからなかった水道や電気、消防の手続きもまるっと任せられる安心感は本当に大きかったです。

■ お金の準備

肝心の資金については、全て自己資金でまかなうと決めていました。独身時代から現金でもらっていたお給料をコツコツ貯め続け、さらに開業を意識してからは積立のペースを上げてきました。子育てをしながらも、主婦だから貯められないとは言い訳にしないと決めていました。

自己資金ですべて賄うため、金融機関からの融資も一切受けませんでした。だからこそ「予算内でおさめる」という意識が強く、内装も厨房設備も慎重に選びました。工務店さんにも正直に希望予算を伝え、その範囲内で一緒にプランを練ってもらいました。

■ 自分用の事業計画書

事業計画書も、誰かに提出するためではなく、あくまで「自分の頭を整理するため」に書きました。
・毎月の売上目標
・家賃や光熱費の支出
・材料費や仕入れの予算
・販促費や雑費の見積もり

これらを書き出すことで、漠然としていた「不安」が少しだけ「やるべき行動」に変わっていきました。
もちろん、その計画通りにいく保証はありません。でも、何も書かずに不安だけを抱えていても前に進めませんでした。書いてみると「何とかやっていけるかもしれない」と思えるようになったのです。

■ いよいよ背中を押された決断の日

そんな中で、勤めていた店から「5月で閉店します」と通告を受けました。
これが決定打になりました。

「もう決めなきゃ」
「やるなら今しかない」

後戻りはできない状況が、最後の一歩を踏み出す背中を押してくれました。
もちろん不安はありましたが、ここまで来たらもう進むしかありません。すでに物件も工務店も決まり、機材の手配も進みはじめていました。大きな歯車が動き出していました。

こうして私は、10年以上の経験を胸に、ついに「自分のお店を出す」という道へと歩み出したのです。

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