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「どれくらいお金を借りられるんですか?」とよく聞かれるので、実際のところをまとめてみました。

これからお店をはじめたい、という方とお話ししていると、 
よく聞かれる質問のひとつがあります。 

「いったい、どれくらいお金を借りられるんでしょうか?」 
「どこで借りるのがいいですか?」 

たしかに、開業ってワクワクする反面、 
「お金の話」になると一気に不安になるという方も多い印象です。 

今日は、僕がこれまで関わってきたお店の経験もふまえて、 
開業時のお金の借り方や金額感について、 
ざっくりお伝えしてみたいと思います。 

▷ どこから借りるのが一般的? 

いちばんよく使われているのは、 
日本政策金融公庫(通称:公庫)です。 

この公庫は、創業時にとても親身になってくれる印象で、 

  • 無担保・無保証で借りられる 
  • 金利が低め(1.5〜2.5%くらい) 
  • 返済期間が長い(5〜10年) 

という特徴があります。 

他にも、地元の信用金庫や、 
市の制度融資(市が紹介して銀行と保証協会で貸す仕組み)も選択肢になりますが、 
まずは公庫に相談する方が多いです。 

▷ 実際、どのくらい借りられるの? 

これは業種や状況にもよりますが、 
目安としては、自己資金の1〜2倍くらいと考えるのが現実的です。 

たとえば、自己資金が300万円ある場合、 
だいたい600〜900万円ほどの融資が通る可能性が出てきます。 

以下、業種別の目安としては… 

業種 初期投資の目安 融資額の平均 
カフェ 800万〜1,500万円 500万〜1,000万円 
美容室 1,000万〜2,000万円 800万〜1,200万円 
ケーキ屋・パン屋 1,200万〜2,000万円 800万〜1,500万円 

もちろん、立地や規模によっても大きく変わってくるので、 
このあたりは参考程度に見てもらえたらと思います。 

▷ 借りやすくするには? 

融資って、「書類」と「面談」が基本になります。 

その中でも、特に見られるポイントは… 

  • 自己資金がどれくらいあるか(目安:総額の3割以上) 
  • 業界経験があるかどうか 
  • 売上と利益の見通しが現実的か? 
  • 家賃・人件費のバランスが取れているか 
  • 生活費がちゃんと残る計画になっているか 

このへんが整っていると、通りやすさが全然変わってきます。 

▷ 最後に 

「借金=悪いこと」と思っている方もいるかもしれません。 
僕自身も、最初は正直びびってました。 

でも今は、「あのとき借りたから今がある」と断言できます。 

無理のない金額で、ちゃんと返していける見通しがあるなら、 
融資は大事なスタートを切るための後押しやと思っています。 

何もわからないままで動き出すより、 
まずは相談してみるところから。 

「どう借りるか」より、「どう使って、どう回していくか」が大事やなと思っています。 

よかったら、気軽に聞いてもらえたらうれしいです。 


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#自己資金と融資のバランス 
#カフェやお店を始めたい人へ 

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木にこだわるということ

作り手側として、どんなところまでこだわっているのか。

今日はそんな話をしてみたいと思います。

 現在、僕たちが関わっている「肉とスパイス」さんの工事がほぼ完了し、

いよいよ10月29日にオープンを迎えます。

現場では僕自身もかなりの時間を過ごしましたが、

本当にいい空間に仕上がったと感じています。

この現場では、解体のときに出てきた古材を

ふんだんに使いました。80年、100年という時間を経た木に、

もう一度新たな居場所を与える。言うなれば

「よみがえらせる」ような感覚です。

こういう仕事が本当に好きで、

つくっていて楽しい瞬間でもあります。

ただ、古材だけでは空間全体を構成できないので、

新しい木も使う必要があります。

そのときに大事なのが「どんな木を選ぶか」。

木といっても、ヒノキ、スギ、マツ、スプルース、オークと、

さまざまな種類があります。さらに節の有無や色味、

木目の表情もすべて違う。

だからこそ、どの材をどこに使うかはすごく慎重になります。

今回の現場では、空間全体のテーマが

「赤みのある、温かい雰囲気」だったので、

スギの中でも赤身が強いものを選びました。

製材屋さんにお願いするときも「節が少なく、赤身が多いものを」

と細かくオーダーしました。そうしないと、

白っぽい木や赤白が混ざった木が届くこともあるからです。

 特にこだわったのが、メインカウンターの天板。

ここにはスギの一枚板を使いました。スギは柔らかく、

どうしても傷がつきやすい素材です。

それでもあえて選んだのは、使い込むうちにできる傷やシミも

「味」になると思っているからです。

お店というのは時間とともに変化していくもの。

その変化を楽しめる空間にしたいという思いも込めました。

傷がつくことを恐れるよりも、その歴史を刻んでいくことが、

この店の魅力を育てていくと思っています。

ぜひ、完成した「肉とスパイス」さんに立ち寄ってみてください。

 空間の温かみを感じながら、絶品のカレーを味わってもらえると思います。

 10月29日オープンです。お楽しみに。

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「松谷さんを信じていいですね」と言われて、ちょっと涙が出そうになった話。

先日、とあるお客さんからお電話をいただきました。 

これから自然食品のお店をオープンしようとされている方です。 
とはいえ、まだ内装の話はまったく進んでおらず、 
本当にゼロからのスタート。 

少し前に、「なぜお店を開きたいのか?」という話を、 
時間をとって一緒にさせてもらいました。 

そしてその電話は、 
その後の気づきと葛藤を、 
とても素直に話してくださるものでした。 

「何も考えてなかった自分に気づいて、めっちゃ不安になった」 
「本当にこれでいいのか、自分にできるのか、正直グラグラしてる」 

そんなふうに、 
今の自分を正直に話してくださったんです。 

でも僕は、こうお伝えしました。 

「今の時点で不安になったのは、むしろすごくいいことです」 
「考えてる証拠やし、前に進もうとしてる証拠です」 

不安って、 
「情報が足りていない」「先が見えていない」から生まれるものであって、 
動きながら少しずつ整えていけば、ちゃんと小さくなっていきます。 

だから、焦らなくて大丈夫。 
少しずつ、少しずつ、不安を削っていけばいいんです。 

そんな話をしたあと、 
そのお客さんが、電話越しにこう言ってくれました。 

「松谷さんを信じていいですね」 

…もう、ほんまに嬉しかったです。 

電話越しだったので分かりませんが、 
声がちょっと震えていて、もしかしたら涙がにじんでいたかもしれません。 

僕自身も、胸がグッときて、 
「絶対に信用してください」って伝えました。 

新しいことを始めようとする時、 
まわりがみんな応援してくれるとは限りません。 

ときには、 
「大丈夫なん?」 
「やめといた方がいいんちゃう?」 
そんな声も聞こえてくるかもしれません。 

でも、そんなときにこそ、 
自分のやりたいに、どれだけ正直でいられるかが大事やと思っています。 

僕は、施工するだけの人間じゃなくて、 
一緒に夢を支える人間でありたいと思っています。 

今回のやりとりを通じて、 
「この人と一緒に絶対に成功したい」 
そう強く思いました。 

夢って、誰かと一緒に育てていけるもの。 
孤独じゃなく、対話しながら、整えながら、前に進んでいくもの。 

これからも、 
「信じていいですね」と言ってもらえるような仕事をしていきたいと思っています。 

 
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お店づくりの軸を見つける対話

今、お店を始めたいというお客さんと打ち合わせをしています。

その方は自然食品を扱う小売業を考えておられて、

できるだけ多くの人に来てもらえるお店にしたいという

想いを持たれています。 お店を開くとき、やっぱり一番の不安は

「どうしたらお客さんが来てくれるか」なんですよね。

そこを考えるとき、アイデアはいくらでも出てきます。

たとえば、定期的にイベントを開くとか、

旬の野菜を多く揃えるとか、魅力的な商品を置いてみるとか。

ポイントカードで来店動機をつくるのも一つの方法です。

もちろん、どれも悪くない。でも「あれもこれもいいよね」

となってしまうと、お店の方向性がごちゃごちゃになって、

一貫性のない空間やコンセプトになってしまうリスクがあります。

そこで今回は「このお客さんは一体どんなお店にしたいのか」

という根本を掘り下げる時間をとることにしました。

軸となる想いを明確にし、それをもとに商品や空間、

サービスのすべてを設計していくためです。

約2時間の対話を通じて、最初はなかなか本質にたどり着けませんでした。

僕の質問の仕方もまだまだだったのか、

少し表面的な話が続きました。けれども、ある瞬間にお客さんが

「私、こういう商品はあまり売りたくないんです」と話されたんです。

その言葉がきっかけでした。 たとえば青汁や粉末酵素、

ペースト状の健康食品。一般的に「自然食品」と言われるものでも、

その方は置きたくないと言われたんです。僕からすれば、

自然食品のお店には合いそうな商品に思えたのですが、

その違和感こそが大事なポイントでした。

なぜそれを置きたくないのか。そこを掘り下げていくと、

お客さんの本当の想いが見えてきました。

それは「家族の食卓に会話が生まれるような時間を届けたい」

ということでした。粉末やペーストの食品は、

個人の健康には役立つかもしれない。でも

「家族で囲む食卓」や「一緒に食べる楽しさ」にはつながらない。

お客さん自身が、子どもの頃に自然の恵みを受けた

食卓で過ごした時間を大切な思い出として持っていたんです。

だからこそ、その温かい記憶を届けるお店にしたいという気持ちが

根底にあったんですね。 この気づきによって、初めてお店の

「軸」が見えました。 本人の中にはもともとその想いがあったのだと思います。

でも言葉にされていなかった。明文化されていなかったからこそ、

周りのスタッフや関係者にも伝わりにくかった。

お店づくりは多くの人が関わるものなので、

共通の軸があることで初めて一貫性のある空間が

つくれるのだと改めて感じました。

人のことを聞いているときには冷静にわかるのですが、

これは自分自身にも言えることです。

僕自身も「自分は何を届けたいのか」「どうありたいのか」を

日々問い直しています。言葉にし続けて、

精度を上げていくことが大切だと実感しています。

お店の軸を見つけること。それは単なるコンセプトづくりではなく、

その人の生き方を映す作業なんだと感じた打ち合わせでした。

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