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えほん食堂カシュカシュ 第4話:もう一つの「夢」へ
自宅でのおやつ教室は口コミで広がり、地域活動の料理講師として呼ばれるまでになった。
お菓子・パン・お料理──どれか一つに絞った方が集客しやすい、とアドバイスをいただいたこともありました。
けれど、私には「おやつ」という言葉への強い思い入れがありました。
「おやつ教室」と名付けたのは、
おやつが“お菓子だけでなく、パンやご飯も含む懐の広さ”を持っていること、
そして「おやつ」と聞くだけでワクワクする気持ちを届けたい、
そんな願いからです。
そんな中、ある生徒さんから「カフェをしたいからお菓子を学びたい」と相談された。
その言葉を聞いた瞬間、私はハッとした。
「何かできるからカフェを開く」のではなく、**「カフェをしたいから開く」**のだと気づいたのだ。
そう気づかされた私は、漠然と抱いていた**“いつかカフェをやりたい”**というもう一つの夢に、改めて向き合うことになった。
ちょうどそのころ、友人に誘われてホテルの調理補助のパートを始めることにした。
本当はプロの調理場に立つことへの恐怖が強かった私にとって、思いがけない挑戦だったが、
現場で仕込みの重要性を身をもって学び、
「仕込みをしっかり整えれば、私にもできるかもしれない」という思いが、少しずつ現実味を帯びていった。
やがて縁あって、間借りカフェを経験することに。
大変なことも多かったが、友人たちに支えられ、お客様との出会いは格別だった。
「名もなきお店」に毎週のように通ってくださるお客様もいて、その温かさに心から感謝した。
しかし、オーナー様の都合で間借りカフェは閉店。
残念だったが、この経験は私を大きく成長させてくれた。
そんな折、両親の介護問題が浮上したことをきっかけに、
「実家の納屋をリノベーションして、自分のカフェを開こう」と決心した。
時代が変わっても、人は変わらない
最近、ある友人にすすめられて、幸田露伴という人の本を読んでみました。
正直なところ、これまで歴史や歴史上の人物の本にはほとんど興味がなくて、
読むのも今回がほぼ初めてでした。
ところが、読み進めていくうちに、「あれ、これ今の時代にも通じる話やな」
と思う場面がたくさんあったんです。
彼が書いているのは、「自分だけで独り占めしてはいけない」とか、
「みんなで分け合うこと」「今の利益だけじゃなく、未来に向けて種をまくこと」など。
何十年も、いや百年以上前の話なのに、
まるで今の世の中に対して書かれた言葉のようでした。
まだ3分の1ほどしか読めていませんが、やっぱりどの時代も
人間の本質って変わらないんだなと感じます。
「わかってるけどできない」「流されてしまう」──
そんな人間らしさは、昔も今も同じ。
本の中では、徳川家康や豊臣秀吉といった
歴史上の人物の性格や生き方も分析されていました。
秀吉は人を動かす魅力があり、家康は長く続ける知恵があった。
つまり、うまくいく人には理由がある。
その一方で、「まあいいか」と流される人は結局うまくいかない。
そんな風に、何百年前の人物を通して、
今の自分たちの生き方が照らされるようでした。
つまりこれは「昔の話」ではなく、「今をどう生きるか」という問いなんですよね。
人は流される生き物。
でも、流れの中でも「良くなろう」と思えば、ちゃんと変われる。
そんな希望のようなものも感じた本でした。
もう少し、じっくり読み進めてみようと思います。
えほん食堂カシュカシュ 第3話:動き出した新しい道
子育てに専念する日々を送っていた私。
息子が年中さんになると、「そろそろ仕事を再開しよう」と考え、大手料理教室の講師の仕事を始めた。
そんなある日、アイシングクッキーを乗せた子どもの誕生日ケーキを作ったことがママ友たちの間で話題になった──。
「教えてほしい」と声をかけられたが、最初は「無理無理」と断っていた。
独学で学んだアイシングクッキーだったし、人様に教えるなんて自信がなかったからだ。
もともと“おやつ教室”を開く夢はあったが、アイシングクッキーは独学なので教えるつもりはなかった。
それなのに、いつの間にかそちらばかりが注目されてしまったのだ。
だが、何度も「別にパティシエを目指してるんじゃないんだから。あなたがいい。」と背中を押してくれる言葉をもらい、「じゃアイシングはお楽しみ程度にね」と自宅でおやつ教室を始めてみることにした。
お楽しみにと始めたアイシングから、夢だった自宅教室がスタートしました。
さらに、大学で絵の学科に進んだことも無駄にはならなかったなと感じ、
どこかにあったもやもやした気持ちが少しずつ楽になっていった。
最初は戸惑いしながらで、決してスムーズには進まなかったが、温かく見守ってくださる生徒様に助けられながら、少しずつレッスンの形ができていった。
子ども向けには楽しく、大人向けには役立つように──と工夫を重ね、
数をこなすうちに、だんだんと自分らしい教室に育っていった。
気づかいがつくる、いい現場
今入っている現場では、僕たちの工事以外にも、
いろんな業者さんが出入りしています。
たとえば、電気屋さん、ガス屋さん、光回線の工事の方、
エアコン洗浄の方、そして券売機の業者さん。
お客さんが直接手配されている業者さんも多く、
それぞれが自分の持ち場で仕事をしています。
でも、だからといって「自分の工事だけできればいい」というわけではない。
むしろ、みんなが気持ちよく、スムーズに作業できるようにすることが大事だと思うんです。
最近、すごく嬉しいことがありました。
電気屋さんが光回線の配線工事をしてくれていたときのこと。
露出配線になる部分があって、「このままだと見た目がちょっと気になるかも」
という話をしていたら、 電気屋さんが
「光の配線用に、先に管(パイプ)を1本入れとこうか」
と言ってくれたんです。
それをしてもらうことで、後から入る光業者さんの作業もしやすくなるし、
仕上がりもきれいになります。 でも、これって本来、
電気屋さんの仕事じゃないんです。
しかも光の工事はお客さんが別で手配している。
普通なら「それはそっちでやるやろ」と割り切ってもおかしくない。
それなのに、わざわざひと手間をかけてくれた。
その気づかいが、本当に嬉しかったんです。
やっぱりものづくりって、人の気持ちが宿るものだと思います。
小さな思いやりや気づかいが積み重なって、
最終的にお店の雰囲気にも表れる。
「誰かのために、もうひと手間」──
そんな姿勢がある現場は、見ていても気持ちがいいです。
完成まであと少し。 僕も最後まで丁寧に仕上げていきたいと思います。