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経年劣化じゃなく、経年美化するお店をつくりたい。

うちは、お店づくりに関わる仕事をしています。 
店舗の設計や改装、内装づくりまで。 

いろんなお店のスタートに立ち会ってきました。 

そんな中で、いつも大切にしているのが 

「自然素材をできるだけ使う」ということ。 

 
なぜかというと、それは古びていくんじゃなくて、 

味わいが増していく素材だからです。 

たとえば、無垢の木を使ったカウンターや棚。 
最初は白っぽかった木が、 

1年2年と経つごとに飴色に変わっていく。 

お客さんが触れたり、スタッフが日々手入れしたり、 

使うたびにそのお店の歴史が少しずつ刻まれていく。 

漆喰や珪藻土といった塗り壁もそう。 
真っ白だった壁が、時間とともに少しずつ落ち着いた色味になっていく。 

手仕事ならではのムラや表情が、 

そのお店ならではの空気をつくってくれます。 

僕は、お店というのは「使いながら育っていく場所」だと思っています。 
建てた瞬間が完成ではなく、そこからが始まり。 

お客さんとのやり取り、 

日々の積み重ねの中で、 

少しずつお店の雰囲気も育っていく。 

 
その変化が「劣化」ではなく、 

「美化」であってほしいんです。 

例えば、小さな引っかき傷や、 

色のムラも、ぜんぶが物語になります。 
「あの時ここで撮った写真、まだあるよね」 
「このシミ、最初は気になってたけど、今はなんか馴染んでて好き」 
そんな風に、お店とともに思い出が刻まれていく。 

人工素材やビニール製品では、 

時間が経つと交換の対象になってしまうことが多いけれど、 

自然素材なら「使い込むほどに愛着がわく」。 

 
お店が生きているような、そんな感覚になります。 

もちろん、すべてを自然素材にするのは難しい場合もあります。 

予算やメンテナンスとのバランスも大事。 
でも、可能な限り「経年美化」する素材を選んでいくことで、 

お店が年月とともに深まっていく。 

 
それが、僕が目指すお店づくりのかたちです。 

せっかくなら、 

あなたの想いがちゃんと残っていくような、 

そんな空間を一緒につくりたい。 

 
10年後、20年後に「この店でよかったな」と言えるように。 

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目で見て体験して、はじめて共有できるもの

やっぱり本物を見るというのは大事だなと、
今日あらためて感じました。

ある方が、今勤めているお店から独立して、
新しく自分のお店を持ちたいと言われています。
勤め先というのが、なんとオーナーが世界的な賞を受賞しているほどの名店。
そんな一流の環境で働かれているんです。

そのお店が、今後お客様が独立して自分のお店を開くときの
参考にしたいということで見に行ってきました。

最初は僕自身、お客として軽く店内を見て、すぐ帰るつもりだったんです。
ところがいくとお客さんが挨拶にきてくださり、
そしてなんとオーナーさん自ら出てきてくださったんです。

そして
「ぜひいいお店にしてあげてくださいね」
と、温かい言葉を僕にかけてくださったんです。

本当に素敵な対応だなと、心から思いました。

それだけではありませんでした。

店内の写真も撮っていいですよ
じっくり見ていってくださいね
厨房も見ていってくださいね

そう言って、厨房の中まで案内してくれたんです。

厨房は驚くほど綺麗で、段取りや動線、設備の配置にも無駄がなく、
「ああ、これが本物の現場なんだな」と感じさせられました。

夕方に伺ったのですが、お客さんがひっきりなしに来られていて、
改めて超有名店だということを実感しました。

何より印象的だったのは
これから独立しようとしているスタッフに対して、惜しみなく
力になってあげようとするオーナーさんの姿勢です。
自分の店が繁盛しているのに、未来のライバルになるかもしれない人に
ここまで親切にする姿は、本当に素敵でした。

そして今回の下見で、もう一つ大事な気づきがありました。

独立しようとされている方から、事前に
「こんなお店にしたいんです」
というイメージは聞いていましたが、実際に本物を見ると、
言葉だけでは伝わっていなかった部分が一気に明確になったんです。

ああ、こういう雰囲気を目指してるんだな
こういう世界観なんだな
こういう動線を理想としてるんだな

そんなふうに、共通認識が深まった瞬間がありました。

やっぱり
目で見て
肌で感じて
体験して

はじめて分かることがあるんだなと、強く感じた時間でした。

今日の下見は、本当に学びの多い貴重な経験でした。

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小さな現場ほど、実は難しい

「小さい工事だから、すぐ終わるでしょう?」 
そんなふうに言われることがあります。 

確かに、工期は短いですし、 

面積だけを見れば作業範囲は限られています。 

 
でも、実は僕たち施工側からすると、 

小さな現場ほど難しさを感じることが多いんです。 

まず一つ目は、段取りの難しさ。 
小さな現場はスペースも限られていて、作業できる人数がごくわずか。 

たとえば1畳ほどのトイレリフォームの場合、大工、設備、電気、内装など、 

すべての職人が順番にしか入れません。 

作業を同時進行できないため、工程の組み方が非常にシビアです。 
少しの段取りミスや納品遅れが、工期全体に影響を与えてしまいます。 

そして二つ目が、利益を確保する難しさ。 
小規模工事でも現地調査・打ち合わせ・見積もり・材料手配・職人手配といった 

プロセスは大きな工事と同じように必要です。 

工事が1日で終わっても、それまでにかける時間は意外と多く、 

結果的に利益がほとんど残らない…ということも少なくありません。 
それでも「うちに頼んでくれた」という信頼には誠実に応えたい。 

だからこそ、手を抜けない現場でもあります。 

さらに三つ目。小さい現場ほど粗が目立つということ。 
たとえば2坪の美容室リフォーム。 

内装も設備も限られた空間の中で行うからこそ、 

仕上がりの美しさや使いやすさがとても重要になります。 
「このスペースでここまでできるんだ!」と感じてもらえるよう、 

細部まで神経を使います。 

逆に言えば、わずかなズレや気の抜けた仕上げが、 

全体の印象を大きく損なってしまうのです。 

そして最後に、どこまでやるかの線引き。 
小さな工事では、「これもついでにやっておきますね」と 

サービス精神が出てしまうことも多い。 

もちろん、それが喜ばれることもあるのですが、 

積み重なると大きな負担になります。 

お客様の満足と、事業としての持続性。 

そのバランスをどう保つかは、毎回自分に問いかけています 

小さな現場は、一つ一つが地味で目立たないかもしれません。 
でも、そこには高い技術と誠実な仕事、 

そして小さな信頼の積み重ねがあります。 
そういう現場を大切にしていきたいし、 

そうやって積み重ねてきた信頼が、 

次の大きな仕事につながっていくと信じています。 

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万年筆の話から見えるマーケティングの本質

今日は一つのマーケティングの話をしたいと思います。

皆さんは事業を通じて
何を届けているでしょうか。

この問いは、シンプルに見えてとても深いんです。

例えば、今あなたが万年筆を販売するお店を営んでいるとしてみます。
だんだん万年筆の売上が落ちてきて
このままではまずいよね、と感じる場面があるとします。

そのときどこに手を打つのか。
これがマーケティングの出発点です。

そもそも万年筆屋さんにとってのライバルは一体誰なのか。
答えは一つではありません。

万年筆を
「文字を書くための道具」と捉えるのであれば、ライバルは
シャーペン屋さんやボールペン屋さんかもしれません。

万年筆を
「特別なギフト」として扱うのであれば、ライバルは
お酒だったり、ゴルフ用品だったり、お父さんへの
プレゼントを扱うお店かもしれません。

万年筆を
「気持ちを伝える手紙を書くための道具」と考えるなら、
手紙という行為の代わりとなるメールやGmailのようなサービスが
ライバルになることだってありえます。

つまり
万年筆を通じて、何を届けたいのか。
どんな価値を渡したいのか。

これを明確にすることが、マーケティングの本質なんですよね。

そしてこの答えは誰かに聞いて分かるものではありません。
オーナー自身が持っているものです。
どんな思いでその商品を扱っているのか。
なぜその仕事をしているのか。
そこにヒントがあります。

では、弊社の場合はどうなのか。

これは今までの自分の発信、仕事で大切にしてきたこと、お客さんとの対話、
そして自分自身の理念の言語化を通じて、こんな風に考えています。

〈弊社が届けている価値〉

小さなお店づくりを通じて届けているもの。
それは
人が人らしく挑戦できる環境と、挑戦が続く未来
です。

もっと言えば
挑戦の第一歩を踏み出せる勇気
諦めずに続けられる仕組み
お客さんと繋がる場のデザイン
地域に愛され、長く続くお店の土台

これらを総合的に届けているのが、弊社の役割だと感じています。

店舗という箱をつくるだけでなく
挑戦する人の伴走者となり
その人の人生と地域の未来に関わり続けていくこと。

これが、万年筆における〈文字を書く〉や〈ギフト〉のように
弊社が世の中に届けている価値なんだと思います。

マーケティングとは
商品を売ることではなく
価値を届けること。

その価値を定義し、言葉にし、伝えていくことが、
事業の方向性を大きく変えていきます。

あなたの事業は
何を届けていますか。

その問いに向き合うところから、すべてが始まるのだと思っています。

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