News
Category
素材は好きだけじゃなく、続けられるかで選ぶようにしています。
お店を設計するとき、
僕たちはできる限り無垢の素材を使うようにしています。
木、真鍮、左官仕上げ。
自然のものには、使い込むほどに味わいが出るし、
新築にはない空気のやわらかさがにじんでくる。
でも同時に、僕たちはこうも考えています。
「手入れしやすいかどうか」も、素材選びではすごく大切。
お店って、毎日動く場所。
毎日、誰かが使うし、汚れる。
だから、掃除しやすい設計ができているかどうかで、空間の持ちが変わるんです。
僕たちの設計では、基本は無垢材や自然素材を使いつつ、
水や汚れが想定される場所には、ちゃんと実用的な素材を組み合わせています。
たとえば──
🔹 トイレの床には、シート材を貼ることが多いです。
木の床も雰囲気はいいけど、水はねや清掃のしやすさを考えると、
やっぱりクッションフロアや耐水性のあるシートの方が安心。
🔹 厨房や洗面まわりには、キッチンパネルを使います。
左官や塗装仕上げでは汚れが染み込んでしまうこともあるので、
使う場所だけ切り替えるという発想で設計しています。
🔹 無垢の木は塗装で保護するという選択肢も
素材のよさを活かしつつ、
水や油に強くするためのクリア塗装や自然系オイル仕上げも積極的に使っています。
無垢だからいい。
シートだからだめ。
そういうことじゃなくて、
「ここで毎日使う人が、気持ちよく続けられるかどうか」。
掃除がラク=空間が保てる。
空間が保てる=お客さんにとっての心地よさにつながる。
素材の見た目だけじゃなく、
維持のしやすさまで考えておくことで、空間の寿命はぐっと伸びると思っています。
焦らなくて大丈夫です。
空間を好きで終わらせずに、
ちゃんと手がかけられるかという視点を持って、素材を選んでいく。
僕たちは、そんな目線でこれからも設計をしていきたいと思っています。
#無垢素材と掃除のバランス #手入れしやすいお店 #続けられる空間設計 #素材選びの考え方 #工務店の目線
「トイレ」の設計で、そのお店の印象が決まることもあると思っています。
お店の設計で、
ついあとまわしにされがちな場所があります。
それが、トイレです。
メイン空間がうまくできたからよし、
トイレは「まぁ使えたらいいか」という扱いになることも多い。
でも僕たちは、
トイレって、そのお店の信頼感が出る場所やと思っています。
というのも、
トイレって「お店の人がどこまで気を配ってるか」が如実に出る空間なんです。
照明の明るさ、換気の音、清掃のしやすさ、
ペーパーホルダーの位置、鏡の高さ…
意外と、いろんな情報がそこに詰まっている。
そしてお客さんは、無意識のうちにそれを見ています。
たとえば、飲食店やカフェ。
どれだけ空間がおしゃれでも、
トイレが使いにくかったり、掃除がされていなかったりすると、
「ああ、なんか雑やな」という印象が残ってしまう。
逆に、ちょっとした清潔感や、やさしい照明、
ちょっとしたグリーンや絵があるだけで、
「ここって、ほんまに丁寧やな」と思ってもらえる。
僕たちが店舗設計のときに意識しているのは、こんなことです。
① 落ち着く照明を意識する
明るすぎても落ち着かない。
でも、暗すぎるのも不安になる。
少しあたたかみのある色味の照明を使うと、空間がやさしくなります。
② 手を洗う・振り向く・荷物を置く、動作をシミュレーションする
トイレの中で人は複数の動きをします。
使う人の動作を想像しながら配置を決めることが大切です。
③ お店らしさをほんの少し入れる
壁紙の色、照明のトーン、ペーパーの収納…。
小さくても、その空間にお店の雰囲気が残っていると、
「最後まで気持ちよく過ごせたな」という印象につながります。
④ 清掃のしやすさを設計で先に考える”
配管の隠し方、床材、扉の種類…。
掃除がしにくいと、やがて「使いにくい場所」になってしまいます。
焦らなくて大丈夫です。
でも、トイレの印象って、意外なほど記憶に残るもの。
お店の本気度や、細やかさを伝える場所として、
トイレ設計は見えない信頼感をつくる大切なポイントやと僕たちは思っています。
#トイレ設計の工夫 #お店の印象をつくる場所 #信頼感は細部に宿る #小さなお店の空間づくり #気配りが伝わる設計
店舗と作業場を両立させるには、仕切るよりつなぐを考える。
小さなお店のご相談で、最近特に多いのが、
「販売スペースと作業スペースを、うまく両立させたい」というご要望です。
パン屋さん、お菓子屋さん、コーヒーの焙煎所。
1人またはご夫婦でやられるお店の場合、
作業場と販売スペースがひとつの建物に同居することがほとんど。
でも、そこで難しいのがゾーニングなんです。
限られた面積の中で、
どう分ける?どうつなぐ?どう見せる?
僕たちが現場でよく意識しているのは、
「仕切る」だけじゃなく「つなぐ」視点を持つこと。
以下に、店舗+作業場を両立させるための設計ポイントをいくつかご紹介します。
① 動線は「スタッフのため」に最短で
販売スペースを先に考えると、作業動線がねじれてしまうことがある。
厨房からレジまで何歩かかるか?
冷蔵庫、洗い場、出入口の順番は?
1日の流れをシミュレーションして、スタッフの動きが無駄なく回るように設計します。
② お客さんに作業の気配が伝わるようにする
厨房が見える、音や香りが届く、
そんな「気配のデザイン」ができると、お店の個性になります。
でも、あくまで“ほどよく”見えるように。
「見せる部分」と「見せない部分」の線引きが大切です。
③ 空間を壁で分ける以外の方法を使う
小さな店舗で完全に壁で区切ると、圧迫感や孤立感が出てしまう。
そのかわりに──
- 目線の高さだけ仕切る
- 棚やカウンターでゆるく区切る
- 素材や照明で空間を切り替える
見えすぎず、閉じすぎずのバランスをとります。
④ 音・におい・温度のバッファを設ける
作業場と販売スペースの境界に、
ひとつ間の空間(例えばパントリーや収納)を設けると、
においや熱気の影響を抑えられます。
⑤ お客さんと自分の「居場所」が自然と分かれる工夫を
「ここまでが販売」「ここからは作業」という区切りを、
明確に“表示”しなくても、照明や床の素材の切り替えで空気が変わるようにできると、
お互いにとって心地いい空間になります。
焦らなくて大丈夫です。
店舗と作業場の両立は、スペースの制約があるからこそ難しいけれど、
つながりをデザインすることで、むしろ温かみのある空間になる。
僕たちは、そんな場所づくりをこれからも丁寧に考えていきたいと思っています。
#店舗と作業場のゾーニング #つながる空間づくり #小さなお店の設計 #販売と作業の両立 #気配のデザイン
古民家リノベでお店を始めるなら、設計の前に考えておきたいこと。
「古民家をリノベーションして、お店にしたいんです」
最近、こんなご相談を受けることが増えてきました。
築50年、60年といった木造の家は、
雰囲気があって、どこか落ち着く空気がある。
自然素材の魅力も活かせるし、
「新築では出せない味」が、古民家にはあると思います。
でもその一方で、
古民家リノベには設計段階で気をつけたい落とし穴もたくさんあるんです。
今日は、僕たちが現場で意識しているポイントをいくつかご紹介します。
① 残すか、壊すかを感情だけで決めない
古い梁や柱、建具は残したくなるもの。
でも、それが構造的にどうか、断熱や耐震にどう影響するか。
「残したい気持ち」と「安全性・快適性」のバランスが必要です。
② 床が傾いてる前提で設計する
築年数が経っていれば、ゆがみは当然あるもの。
それを直すのか、味として残すのか。
あらかじめそうなってる前提でプランを考えることが大事です。
③ 店舗としての動線をしっかり整理する
住宅の間取りは、そのままだと店舗に向かないことも多い。
厨房からレジ、スタッフの動き、お客さんの流れ──
誰がどこをどう使うかを、最初に整理しておくのがポイントです。
④ 古さと清潔感のバランスをとる
古民家は雰囲気が魅力ですが、
やりすぎると「ただの古びた建物」に見えてしまうことも。
古さの味を引き立てるために、清潔感のある素材や照明をうまく組み合わせることが大切です。
⑤ 水道・電気など、インフラ面の確認も忘れずに
設計以前に、そもそも使えるのか?が重要です。
- 排水はつながっているか?
- 給水は新たに引き直す必要があるか?
- 電気の容量は足りるのか?(特に厨房がある場合)
古民家ほど、この基礎の設備がネックになることが多いので、
現地調査と事前確認が欠かせません。
⑥ 想定以上の修繕費がかかるつもりで予算を組む
壁をめくってみたら構造が腐っていた…
床下にシロアリがいた…
古民家リノベでは、想定外はよくあること。
見積もりに余白をもたせておくのは鉄則です。
焦らなくて大丈夫です。
古民家リノベは手間もかかりますが、
ちゃんと向き合えば、空気の残ったままの新しいお店になります。
その土地に根づいた建物を、
次の営みに引き継いでいく。
僕たちは、そんなお店づくりをこれからもお手伝いしていきたいと思っています。
#古民家リノベの注意点 #水道電気の確認 #店舗設計の落とし穴 #古いものと向き合う #工務店の現場目線