
なぜ僕たちは“リフォームしかやらない”のか? その理由と想い
こんにちは。
このブログでは、僕たちの会社が大切にしていることや、日々の想いを綴っています。
前回は、お店づくりを通して「不安を少しずつ希望に変えていく」ことについてお話しました。
今回は、僕たちが“リフォーム専門”でやっている理由についてお話ししたいと思います。
■ 新築はやらない、リフォームしかやらない。
よく言われます。
「新築はやらないんですか?」と。
もちろん、技術的にはできます。
でも僕たちは、あえてリフォームに絞って仕事をしています。
なぜなら、そこには僕自身の価値観が深く関係しているからです。
■ 古いものには、記憶がある。
僕は、古い建物を見ると、なぜかワクワクします。
- どんな人が、ここでどんな暮らしをしていたのか
- この壁には、どんな時間が刻まれているのか
- 傷やシミにも、ちゃんと理由があるんじゃないか
そんなことを想像してしまいます。
古いものには、“記憶”や“物語”が詰まっている。
それを壊してゼロに戻すのではなく、活かしながら未来につなぐことに、僕は魅力を感じています。
■ 目に見えない価値を、受け継いでいく
リフォームには、新築にはない面白さがあります。
- 「この柱は残しましょうか」と相談しながら決める
- 昔の床板を一部再利用して、思い出を残す
- 昔の面影と今の快適さを、同じ空間に共存させる
それは、“機能を回復する”だけじゃなくて、
人の想いを受け継ぎながら再構築する仕事なんです。
■ リフォームと「人が人らしくいられる場所」
僕たちの理念は、「人が人らしくいられる場所を」です。
リフォームって、どこか人間の姿にも似てるなと思うんです。
- うまくいかないこともある
- 少し古びて見えることもある
- でも、だからこそ“味”や“あたたかみ”がある
完璧じゃなくていい。
そのままを活かしながら整えていく。
それって、人と向き合う姿勢ともつながっている気がするんです。
■ 空き家が増える時代だからこそ、再生という選択を
今、日本にはたくさんの空き家があります。
にもかかわらず、新しい家が建ち続けている。
僕はそこに、ちょっとした違和感を感じます。
あるものを活かしながら、次の世代につないでいく。
それができるのがリフォームであり、僕たちの仕事です。
次回は、社員にとっての「人らしさ」について
次回は、スタッフやチームの中で大切にしている考え方——
「この会社が、人生の主人公になれる舞台であってほしい」という想いについて書いてみたいと思います。
また読みにきていただけたらうれしいです。

自信は「努力の積み重ね」からしか生まれない
「自信がないんです…」
そういう悩みを持つ人は本当に多いと思います。
正直、僕自身もよく感じます。
「もっと自信があればなぁ…」 って。
世界チャンピオンとの会話
以前、ありがたいことに格闘技の世界チャンピオンになった方と
お話しする機会がありました。
せっかくだからと、ずっと気になっていた質問をしてみたんです。
「リングに立つときって、怖くないんですか?」
世界の舞台に立つような人たちは、みんな自信満々に見えます。
でも、その方はこう答えてくれました。
「もちろん、めちゃくちゃ怖いよ」
「でも、気持ちで負けたら終わりやから、必死に自分を鼓舞してる」
正直、その言葉がとても印象に残りました。
自信は「圧倒的な練習量」から生まれる
さらにその人は続けてこう言いました。
「結局、自信ってどうやってつくねんって言われたら、圧倒的な練習量しかない。」
「誰よりも練習してきたって、自分で胸を張れるかどうか。」
この言葉を聞いて、ああ確かにそうだなと感じました。
- これだけやったんだから大丈夫だ
- これだけ積み重ねたんだから自信持っていい
自信って「気持ち」から生まれるものじゃなくて、
「行動の裏付け」から生まれてくるんだな と改めて思いました。
自分で自分に積み上げさせる
僕も含めて、多くの人が
「自信がない」→「だから動けない」
と考えがちです。
でも実は逆で、
「行動を積み重ねる」→「だから自信が生まれる」
なんだと思います。
その格闘家の方は、試合前の半年間は私生活でも節制を徹底していた そうです。
食事も、睡眠も、遊びもすべてコントロールしていた。
そこまでやり切ったからこそ、リングに立つときに自分を鼓舞できる。
「これだけやったんだから大丈夫」と思える材料を、自分で自分に与えていく。
自信は待っていても降ってこない
結局、自信って「努力の証明書」 なんだと思います。
- やる前に自信は湧かない。
- 行動を積み重ねた先に自然と湧いてくる。
だから、今はまだ自信がなくても大丈夫。
コツコツ行動を積み重ねていくことが、自然と自信を育ててくれる。
焦らなくて大丈夫です。
今日の小さな積み重ねが、やがて「自信」という土台を作ってくれる。
今日もまた一歩、積み上げていきます。

徹底的にパクる(TTP)という学び
僕が独立して少し経った頃、
経営者の集まり(同友会)に参加するようになりました。
その中で、ある先輩経営者の方が教えてくれた言葉があります。
「TTPやで」
TTP?何の略かというと、
徹底的にパクるという意味です。
徹底的にパクる、とは?
最初この言葉を聞いたときは、ちょっと驚きました。
「え、パクってええの?」と。
でもその方が言うには、
うまくいってる会社や人がいるなら、素直に真似したらええ。
それが一番成功への近道や。
ということでした。
確かにそうやと思います。
自分のオリジナルを最初から作り出そうとすると、遠回りになりがちです。
うまくいってる人がやってるやり方・考え方・行動をそのまま吸収する。
そこから自分の色が生まれてくるんやと思います。
僕の中にあった“いや”という感情
正直に言うと、僕の中には当時「いや…でも…」という感情もありました。
・あの人はすごいけど、僕は違うし…
・そのまま真似するのは恥ずかしい…
・やっぱり自分らしさを出さなあかんのちゃうか…
こういう
「失敗したくない気持ち」
「変なプライド」が邪魔して、
素直に真似できない時期がありました。
でも、今思うとそれが逆に遠回りしていた原因だったかもしれません。
型を学び、型を破る
昔から「守破離(しゅはり)」という言葉があります。
- 守(まもる)…まずは型を徹底的に学び、真似る
- 破(やぶる)…型を少しずつ自分流に崩していく
- 離(はなれる)…やがて自分だけのオリジナルができあがる
まさにこれやなと思っています。
僕も今までいろんな人から学んできました。
本当にたくさんの先輩経営者、職人さん、
起業家の方々に支えられてここまで来れたなと感じています。
最初からオリジナルなんて必要なかった。
まずは素直に、徹底的にパクる。
そこから、自分なりの工夫や味付けが自然と出てきます。
迷ったら、近くにいる「憧れの人」を探してみて
これからお店を始めたい人も、きっと悩んでいることがたくさんあると思います。
そんな時は、もし身近に「こんな人みたいになりたいな」という人がいたら、ぜひ近づいてみてください。
話を聞いたり、現場を見せてもらったり、
真似できる部分を徹底的に吸収してみてください。
素直にパクる勇気。
これが実は、起業を成功に近づける大きな秘訣やと思います。
焦らなくて大丈夫です。
完璧なオリジナルを目指さなくていい。
まずは「良いもの」を徹底的に真似るところから始めましょう。
そこから、あなただけの道がきっと見えてきます。

時給換算してゾッとした日が、「安売りをやめよう」と決めた日だった。
独立して工務店を始めて、
最初の頃はとにかく「仕事がある」ことが嬉しかったです。
お客さんから声をかけてもらえる。
現場に入れる。
誰かに頼られる。
それだけで満たされていた時期もありました。
けど、ある日ふと、
「これ、時給換算したらいくらなんやろう?」と考えてみたんです。
出してみた数字は
思っていたよりもずっと低くて、
下手したら学生のアルバイト以下かもしれへん…というレベル。
朝から晩まで働いて、
自分がここまで時間を使っても、
手元にはほとんど残らない。
それが現実でした。
そのとき僕は、はっきり思いました。
「安売りはもうやめよう」って。
もちろん、安くすることにも意味はあると思います。
最初のきっかけになったり、手に取りやすくなったり。
でも僕の場合は、
「これじゃ自分が持たへん」と思ったんです。
それからは、
「どうすれば高い金額でも価値を感じてもらえるか」を考えるようになりました。
価格に見合う仕事をする。
じゃなくて、
「価格の背景にある価値」をちゃんと伝えるようにしました。
たとえば、
・なぜこの工事にこれだけの手間がかかるのか
・どこをどう丁寧にしているのか
・完成したあと、どんな安心が続くのか
こういうことを、
SNSやブログ、現場での会話の中で、
少しずつ言葉にして伝えていくようにしたんです。
その結果、少しずつだけど
「価格」じゃなくて「人」で選んでもらえるようになってきた。
「安いから頼む」ではなく
「松谷さんにお願いしたい」と言ってもらえる仕事が増えてきた。
僕は、あの「時給換算してゾッとした日」がなかったら、
まだずっと「頑張ってるけど報われない状態」にいたと思う。
焦らなくて大丈夫。
でも、しんどいのに残らないと感じたときは、
値段を見直すサインかもしれません。
あなたの時間にも、技術にも、想いにも、
ちゃんと価値があると思います。