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ケーキ屋「小さな菓子屋aya」開業ストーリー 第5話
「やってよかった── 開業から3年目、夢が現実になった今」
お店をオープンしてから、もうすぐ丸3年が経とうとしています。
振り返れば、あの時勇気を出して一歩を踏み出して本当に良かった、と今は心から思えます。
もちろん順風満帆だったわけではありません。むしろ、オープンしてからの方が「経営することの大変さ」を何度も痛感してきました。
■ 休めない、止まれない日々の現実
開業当初、最初の1年はとにかくがむしゃらに働きました。
商品作り、仕込み、販売、仕入れ、発注、SNS発信、帳簿管理……。すべてを自分一人でやる生活。どこかで誰かが代わってくれるわけではありません。体力的にも精神的にもかなり追い込まれる日々でした。
特に、イベントシーズンやクリスマスの繁忙期は毎年大きな山場になります。仕込み量も膨大で、日付が変わるまで厨房に立ち続ける日も珍しくありませんでした。
そんな働き方を続けていたある日、ついに身体を壊してしまいました。腰を痛め、仕込みすらできなくなった時、家族や周囲から「もう無理しすぎ。休まないと続けられないよ」と強く言われました。
それがきっかけとなり、定休日の取り方や仕込みスケジュールを見直しました。
「長く続けるために、無理をしない勇気を持つ」
これが開業してから学んだ一つの大きな教訓です。
■ 「続ける」ことの重みと喜び
オープンから3年が経った今、ようやく少しだけ自分のリズムができてきました。
もちろんまだまだ課題は山積みです。夏場は売上が落ち込む不安もありますし、新しい商品開発や販促の悩みも尽きません。
それでも、お客様が繰り返し通ってくださるようになりました。
「今日のケーキも美味しかったよ」
「いつもインスタ見てます」
「また来月予約していいですか?」
そんな言葉の一つひとつが、今の私の大きな支えです。
毎日同じことの繰り返しのように見えて、その中で少しずつ自分のお店の「色」が育ってきた実感があります。
材料選び、仕込みのタイミング、売れる商品の流れ、予約の組み立て方…オープン当初は全く見えなかったことが、経験を重ねるうちに自然と判断できるようになってきました。
■ 人との繋がりが生まれていく喜び
開業して一番良かったと思うのは、「人との繋がりがどんどん広がったこと」です。
お客様はもちろん、材料の生産者さん、同業の作り手の方々、取引先の業者さん、そしてSNSを通じて応援してくれるたくさんの方々――。主婦で子育て中心だった頃には出会わなかったような人たちとのご縁が、この3年間でたくさん生まれました。
「何か困った時に相談できる人がいる」
「自分の作ったものを楽しみに待ってくれている人がいる」
こういう支えができたことが、想像以上に大きな安心感になっています。
■ 「お店をやってよかった」と心から思える瞬間
日々の中で、やってよかったなと感じる瞬間はいくつもあります。
・お客様が「美味しい」と笑顔で帰ってくださる時
・常連さんが、記念日のケーキを毎年注文してくださる時
・初めてのお客様が来店された時
そして、夫がある時、ノトスさんにこんなことを言っていたようです。
「妻が今めちゃくちゃ生き生きしてるな。妻の夢を叶えてくれてありがとうございます。」
夫にとっても、家族にとっても、お店を始めたことで生活は大きく変わりました。家族の協力なしではここまで来られませんでした。感謝の気持ちでいっぱいです。
■ 今、迷っている人へのメッセージ
今、もしもかつての私のように「いつかお店をやりたい」「でも勇気が出ない」と迷っている人がいたら、こう伝えたいです。
「悩んでも不安は消えません。けれど、動き出せば景色は変わります。」
もちろん現実は甘くありません。資金、家族の理解、健康、準備――考えれば考えるほど迷います。でも結局のところ、「行動する」ことでしか一歩は踏み出せません。
私自身も決して特別な存在ではありません。
中学生の時にたまたま作ったチーズケーキが美味しいと言ってもらえた、あの原点の延長線上に今があります。長年の積み重ねと、少しの勇気と、多くの人の支え。それがここまで私を運んでくれました。
3年続けた今でも、まだまだ手探りの部分はあります。けれど、それすらも含めて「自分のお店を持つ」ということの楽しさだと、今は思えます。
これからも、お菓子を通じてたくさんの人に喜んでもらえるよう、少しずつでも成長を続けていきたいと思っています。

ケーキ屋「小さな菓子屋aya」開業ストーリー 第4話
「すべてが自分次第── 開業目前に押し寄せた新たな不安と責任」
いよいよ店舗工事が始まり、オープンに向けた準備が本格的に動き出しました。
お店の形がだんだんと出来上がっていくのを目の当たりにしながら、期待と同時にこれまでにない大きな不安が押し寄せてくるのを感じていました。
■ すべての判断が「自分の責任」になる
今までは雇われて仕事をしてきました。上司がいて、お店の方針があって、商品の価格もメニューも決められていました。私はその中で与えられた役割を全うすればよかったのです。
でも独立してからは、すべて自分で決めなければいけません。
・どんな商品を作るのか
・どんな価格で販売するのか
・仕入れ先をどこにするのか
・どの設備をどの配置に置くのか
・どんなパッケージにするのか
一つひとつの選択がすべて自分の決断であり、その結果も自分に返ってきます。
この「決める」という行為の重みが、想像以上に大きかったのを今でも覚えています。決めたくても「これで本当に正しいのか?」と迷ってしまい、思考が止まってしまう瞬間も何度もありました。
■ 一番大きな不安は「味への自信」
実は、ここにきて改めて大きくのしかかってきたのが「自分の作るお菓子が本当にお金を払ってまで買ってもらえる商品なのか?」という不安でした。
それまで職場では長年お菓子作りをしていましたが、あくまでそれは既存のレシピや決められた商品ラインナップの中での話。独立してからは自分でレシピを決め、配合を変え、価格を決める必要があります。
「果たしてこれでいいのか?」
「お客様は本当にこれを買ってくれるのか?」
「高いと思われないか?」
考え出すとキリがありませんでした。
特に、今まで使ったことのない高品質な生クリームやフルーツを扱い始めると、原価が一気に上がります。その分、販売価格も高く設定せざるを得ません。「この価格でも買ってもらえるのか?」という恐怖はずっと消えませんでした。
■ 味の積み上げは経験の積み上げ
でも一方で、「ここまでやってきた経験がある」という自信も心のどこかにはありました。技術を学ぶためにこれまでに様々な講習に通い、勉強もしてきました。材料の知識も積み重ねてきた自負はありました。
開業前のブランク期間には、毎日試作を繰り返し、ひたすら「納得のいく味」を探しました。作っては食べ、家族や友人に試食してもらい、細かく修正を重ねました。こうしてようやくオープン用のメニューが少しずつ固まっていったのです。
■ オープン準備で見えてきた現実
工務店さんとの打ち合わせも進み、いよいよ開業の日が現実味を帯びてきた頃、また新たな問題が浮上しました。
「本当にお客さんは来てくれるのだろうか?」
立地は決して人通りの多い場所ではありません。宣伝もゼロからのスタート。知名度も何もない私のお店に、果たしてお客様は来てくれるのか。
そこでSNSを使った発信を少しずつ始めました。
・厨房機器が搬入された様子
・試作中のケーキの写真
・お店の進捗状況
なるべく「お店ができていくプロセス」を見せるように心がけました。完成品だけではなく、その裏にある「手作りの工程」「素材へのこだわり」「準備にかける想い」――そういう部分を見てもらいたかったのです。
この発信は、今振り返っても大きな助けになったと感じています。少しずつフォロワーが増え、オープン前から応援の声も届くようになりました。「オープン楽しみにしてます!」というメッセージが、どれだけ心の支えになったか分かりません。
■ プレオープン、そして緊張の初日
オープンに先立ち、プレオープンを行いました。限られた知人やご近所の方々に来てもらい、オペレーションの確認や商品ラインナップの最終チェックを行いました。
その日、袋詰めの作業やレジでのお金のやり取りに、手が震えるほど緊張していたのを今でもはっきり覚えています。これまで厨房で作る作業は慣れていましたが、直接「お金をいただく」という行為はまた別のプレッシャーがありました。
そして迎えた正式なオープン日――。
想像以上に多くのお客様が来てくださいました。中には朝から並んでくれた方までいて、驚きと感謝の気持ちでいっぱいでした。SNSを見てくれていた方や、以前の職場のお客様、ご近所の方…たくさんの方が駆けつけてくれました。
■ オープン初日が教えてくれたこと
この日を終えて感じたのは、「ああ、やっぱり始めてよかった」という思いでした。もちろんオープン当日だけが全てではありません。むしろここからが本当の勝負であり、継続していく難しさはこれから痛感していくことになります。
それでも、自分が考えたメニュー、自分が積み重ねてきた技術、自分が想いを込めて作ったお菓子をお客様が手に取ってくださった――その現実が、すべての苦労を報われた気持ちにさせてくれました。
ようやく「私のお店」が本当にスタートした瞬間でした。

ケーキ屋「小さな菓子屋aya」開業ストーリー 第3話
「情報がない・相談先がない── 手探りで進めた開業準備のリアル」
開業を決めたとはいえ、そこからが本当のスタートでした。
やりたい気持ちはある。でも、現実は「わからないことだらけ」。お店を持つには何をすればいいのか、誰に相談したらいいのか、インターネットで調べても断片的な情報しか出てこない。まさに手探りの日々でした。
■ まずは物件探しから
お店を始めるには、まずは場所が必要です。けれども、自宅を店舗として使うのか、テナントを借りるのかでも大きく変わります。私は幸い、住まいの敷地内にスペースがあったため、そこを利用できないかと考えました。
ただ「ここに建物を増やしてお店にする」という発想が、そもそも当時の私にはまだはっきりイメージできていませんでした。建て替えなのか?増築なのか?リフォームなのか?どういう依頼先にお願いすればいいのかも分かりません。
最初はよく耳にするハウスメーカーに相談しました。でも返ってきたのは「増築」という枠での提案。提示された金額は、私が想定していた金額よりはるかに高く、到底現実的ではありませんでした。厨房や店舗用の設備は別途必要で、そちらの費用は見積もりに含まれていない。これでは到底進められない…と早々に断念しました。
■ ノトスさんとの出会い
「誰に相談すればいいんだろう…」と迷っていた頃に、縁あって今のノトスさんを紹介していただきました。最初の打ち合わせでは、今まで誰にも言えなかった「予算の現実」も素直に相談しました。
「これくらいの規模で、できれば○○○万円台で抑えたいんです…」
でも、その時に工務店さんが
「いけますよ。内容によりますけど、なんとか現実的に収まるラインで考えましょう。」
と言ってくれたとき、初めて「できるかもしれない」と実感できたのです。
この一言が、私にとっては大きな希望になりました。
さらにありがたかったのは、工事そのものだけでなく、厨房機器や設備、内装のことまでトータルで相談に乗ってくれたことです。お菓子屋の厨房は、家庭のキッチンとはまったく違います。オーブン・冷蔵庫・ミキサー・作業台…必要な機器がたくさんあります。それらをどう配置すれば効率よく動けるのか、プロの目線で一緒に考えてもらえたのは心強かったです。
■ 自己資金で進める決断
私は当初から、銀行融資は使わず、自己資金のみで進めると決めていました。これまで10年以上、現金支給でもらってきたお給料をコツコツと貯めてきた結果、何とか開業資金に充てられる金額まで積み上げていました。
ただ、それでも全てをまかなうにはギリギリでした。
「どこまでお金をかけるか」
「何を優先して予算を振り分けるか」
これは常に悩みました。
機材一つをとっても、オーブン、冷蔵庫、ショーケース…どれも高額です。新品で揃えればきりがなく、中古で探すにも状態の良し悪しや保証の問題があります。ここでも、先に開業していた知人や、元職場の先輩たちのリアルな情報が本当に役立ちました。
■ 相談できる人がいた安心感
思えば、開業準備の一番の支えは「相談できる人がいること」でした。
・元職場の上司
・先に独立していた友人
・夫
・家族
・工務店さん
自分の考えや迷いを聞いてくれる人がいるだけで、心の負担はずいぶん軽くなりました。もちろん、最終的に決断するのは自分自身です。でもその過程で「この考えでいいのかな」と確認できる相手がいることが、どれだけ大きかったか分かりません。
■ 事業計画書を書いてみた
誰に提出するわけでもありませんが、自分の頭を整理するために事業計画書も作ってみました。
・月々の売上目標
・仕入れの予算
・光熱費や家賃の支出
・材料費や人件費の試算
・想定される利益
書き出してみると、ぼんやりしていた不安が少しずつ整理され、数字として見えるようになりました。「ちゃんとやれば、もしかしたらやっていけるかもしれない」という小さな自信にも繋がっていきました。
もちろん、この計画書がすべて現実通りに進んだわけではありません。むしろ、オープンしてからは予定外のこともたくさん起こりました。ただ、少なくとも「何にいくらかかるのか」「毎月いくら稼げば赤字にならないのか」という基本的な感覚は、この時点で養われていたと思います。
■ 迷った時に助けになったもの
実は準備期間中に、友人の勧めで占いにも行きました。
「本当に今動いていいのかな…」
そんな不安を抱えていた私に、その方は「今はすごく良い流れが来てますよ」「タイミングとしては動いていいですよ」と言ってくれました。スピリチュアルな話は信じすぎても危険ですが、このときは素直に背中を押してもらえた気持ちになりました。
結局、占いの結果を信じたというよりも、「誰かに背中を押してもらいたかった」だけなのかもしれません。でも不思議なもので、その直後に厨房機器の中古譲渡の話がまとまったり、施工スケジュールが順調に決まったりと、歯車がどんどん噛み合っていったのです。
■ 本当にやるのは「決断力」
今思えば、開業準備の期間で一番必要だったのは「決断する力」だったように思います。
・ここにお金をかけるか、削るか
・この物件に決めるのか、もう少し探すのか
・この設備で妥協するのか、理想を追うのか
・オープン日はいつに設定するのか
悩めば悩むほど決断は重くなり、時に足が止まってしまいそうになりました。そんな時、相談できる人の存在が本当に心強かったのです。そして何よりも、自分が積み重ねてきた経験が「今なら大丈夫」と最後は自分を納得させてくれました。
こうして、いよいよ工事がスタートし、開業日が現実として近づいてきたのです。

ケーキ屋「小さな菓子屋aya」開業ストーリー 第2話
「10年以上の修行を経て、いよいよ訪れた独立のタイミング」
10年以上働いた職場を離れる。
これまでの積み重ねがあるからこそ、辞める決断は簡単なものではありませんでした。けれども店舗移転の話をきっかけに、私はついに「自分のお店を持つ」という道を選びました。
実は、このタイミングに決断したのは、突然ではなく、ゆるやかに準備してきた流れもあったのです。独立を少しずつ意識しはじめたのは、仕事に慣れてきた数年前からでした。「もし今の職場を離れることがあったら、次は自分のお店をやってみたいな」と、漠然と思っていたのです。
ただ、その思いを実際の行動に移すのは簡単ではありませんでした。いざ独立となると、自分が抱える現実的な不安がいっきに押し寄せてきました。
「資金は本当に足りるのか」
「場所は見つかるのか」
「本当にお客様は来てくれるのか」
考えれば考えるほど、不安は尽きませんでした。
それでも、やはり支えてくれたのは家族と職場の理解ある上司でした。
夫は「お金のことは心配やけど、やってみたらええやん」と、背中を押してくれました。実際、住宅ローンもまだ残っているし、子どもたちの将来のことも考えれば、決して楽ではありません。それでも私が思い切って一歩を踏み出せたのは、家族のこの一言があったからだと思います。
上司は、長年一緒に働いてきた私の仕事ぶりを見てくれていました。
「あなたなら大丈夫やと思うよ。」
その言葉にどれほど勇気づけられたか分かりません。
私の性格として「新しい人間関係をゼロから築く」ということに、正直かなり苦手意識がありました。だからこそ「他の職場に転職」という選択肢は早い段階で消えていました。せっかくなら自分の裁量で、思い描くお店作りをしてみたい。自分が納得できる空間で、自分の作ったお菓子を提供したい。そう強く思うようになっていきました。
■ 少しずつ現実に近づいていく「準備」
ただ、思いを持っただけでは開業はできません。そこからは実務的な準備が始まりました。何もかもが手探りでした。開業資金はいくら必要なのか?家賃の相場は?厨房設備はいくらするの?……分からないことだらけです。
そこでまず私がしたのは、同じようにお店を持っている知り合いや先輩たちに片っ端から話を聞きに行くことでした。
「どのくらいの資金で始めたの?」
「厨房機器はどこで揃えたの?」
「内装工事ってどんなふうに進めるの?」
具体的なリアルな話を聞くことで、少しずつイメージが具体化していきました。
その一方で、物件探しも始めました。ネットでも探しましたし、不動産屋も回りました。候補物件もいくつか出てきました。そんな中で悩んだのが「増築」という選択肢でした。ハウスメーカーにも相談しましたが、見積もりを取ってみるとかなりの予算オーバー。設備の見積もりが乗っておらず、店舗仕様としては全く現実的な金額ではありませんでした。
「これはちょっと無理やな…」
現実の壁にぶつかりかけていた頃、ご縁があって今のノトスさんに出会いました。
■ 工務店との出会い
これが、大きな転機になりました。はじめて打ち合わせに行ったとき、予算感の話になりました。
「○○万円台ぐらいでなんとかなるんじゃないかな。」
その言葉に、私は希望の光が見えました。
もちろん工事内容次第で多少の増減はあるとわかっていましたが、「これなら現実的にできるかも」という感覚が初めて持てた瞬間でした。それまでは、夢はあっても現実が追いつかないという焦りばかりだったのです。
工務店の担当さんは、設備の手配や厨房機器の相談など、私が全くわからなかった部分も含めて一緒に整理してくれました。誰に相談したらいいかわからなかった水道や電気、消防の手続きもまるっと任せられる安心感は本当に大きかったです。
■ お金の準備
肝心の資金については、全て自己資金でまかなうと決めていました。独身時代から現金でもらっていたお給料をコツコツ貯め続け、さらに開業を意識してからは積立のペースを上げてきました。子育てをしながらも、主婦だから貯められないとは言い訳にしないと決めていました。
自己資金ですべて賄うため、金融機関からの融資も一切受けませんでした。だからこそ「予算内でおさめる」という意識が強く、内装も厨房設備も慎重に選びました。工務店さんにも正直に希望予算を伝え、その範囲内で一緒にプランを練ってもらいました。
■ 自分用の事業計画書
事業計画書も、誰かに提出するためではなく、あくまで「自分の頭を整理するため」に書きました。
・毎月の売上目標
・家賃や光熱費の支出
・材料費や仕入れの予算
・販促費や雑費の見積もり
これらを書き出すことで、漠然としていた「不安」が少しだけ「やるべき行動」に変わっていきました。
もちろん、その計画通りにいく保証はありません。でも、何も書かずに不安だけを抱えていても前に進めませんでした。書いてみると「何とかやっていけるかもしれない」と思えるようになったのです。
■ いよいよ背中を押された決断の日
そんな中で、勤めていた店から「5月で閉店します」と通告を受けました。
これが決定打になりました。
「もう決めなきゃ」
「やるなら今しかない」
後戻りはできない状況が、最後の一歩を踏み出す背中を押してくれました。
もちろん不安はありましたが、ここまで来たらもう進むしかありません。すでに物件も工務店も決まり、機材の手配も進みはじめていました。大きな歯車が動き出していました。
こうして私は、10年以上の経験を胸に、ついに「自分のお店を出す」という道へと歩み出したのです。